■人気のディーゼルターボ、登場時はFFのみ
日本向けは3列7人乗りのみとしている新型メルセデス・ベンツGLB。GLAよりも100mmロングホイールベース化され、3列シートを成立させているだけでなく、SUVらしさを強く感じさせるフォルム、そして比較的穏やかな乗り心地が印象的です。
GLBには、2.0Lの直列4気筒ガソリンターボを積む「GLB 250 4MATIC Sports」、2.0Lディーゼルターボを搭載する「GLB 200 d」が設定されています。前者は4WDで価格は696万円、後者はFFで価格は512万円です。
ここでピックアップする「GLB 200 d」は、最高出力150PS/3400rpm・最大トルク320Nm/1400-3200rpmというスペックで、「GLA 200d 4MATIC」と同じ数値。
「GLB 200 d」の車両重量は1740kgで、同じエンジンを積む「GLA 200d 4MATIC」が1710kgですから30kg重くなっています。日本向けのGLBは3列シートのみで「GLB 200 d」はFFということもあり、あまり重量増とはなっていません。
なお、同じGLBで2.0Lガソリンターボを積む「GLB 250 4MATIC Sports」は、224PS/5500rpm、350Nm/1800-4000rpm、車両重量は1760kg。
2.0Lディーゼルの「GLB 200 d」は、2.0Lガソリン仕様よりも最高出力は74PS、最大トルクも30Nm譲るものの、タウンユースやバイパス程度の速度域では、実用上、動力性能に不足を抱かせないのが美点です。2台同時に競争すれば最高出力が74PSも上回る2.0Lガソリンターボに軍配が上がるはずですが、単体で走らせるとこれで十分と感じさせてくれます。
最大トルクがガソリンターボよりも低い回転域で発揮することもあり、中低速域のトルク感もあり、高速域やワインディングで追い越しをかけるようなシーンでも力不足を痛感させることはありませんでした。
もちろん、ガソリンターボの過給が始まってからの伸びや力強さは魅力ですが、走行モードを「スポーツ」にすれば、日本の速度域ならほとんどカバーできるはず。また、GLBの魅力である乗り心地のよさは、ディーゼルエンジン車も同じで、路面からの突き上げなどの衝撃のいなしも巧みに感じられます。
GLBのカタログには「3列目シートは、乗車時の安全確保のため、身長168cm以下の乗員のみが使用できます。」という表記があり、いずれにしても子ども用、エマージェンシーシートの域は出ませんが、急に知り合いの子どもなどを乗せることになったという状況でも対応できることから、ファミリー層を中心とした多くの支持を集めそう。
3列シートSUVは、大型モデルが中心になっていて、全長4640×全幅1830×全高1700mmという、全高を除けばマツダのCX-7よりもひと回り小さいサイズも武器になりそうです。
(文/写真 塚田勝弘)