■現在のラインナップでは、FF・2Lディーゼルの「GLB 200 d」がオススメ
メルセデス・ベンツの新型SUVであるGLA、GLBは、共に非常に好調なスタートダッシュを決めたそうです。日本向けの仕様は、登場時点で新型GLAは2.0Lディーゼル+4WDのみ。新型GLBには2.0Lガソリン+4WD、2.0Lディーゼル+2WDが設定されています。
筆者は以前試乗した機会を含めて、GLA、そしてGLBの2つのパワートレーンに乗る機会がありました。GLAは40代以上のアクティブな人をターゲットユーザーとしているそうで、街中中心でもいざとなればウインタースポーツやマリンスポーツ、キャンプなどのアウトドアでももちろん活躍してくれるはずです。
山岳路を含めて新型GLA、GLBを乗り比べると、GLBのゆったりした乗り心地は美点に感じられるのはそのままに、ワインディングでは全長が225mm短く、ホイールベースも100mm短いGLAの軽快なフットワーク、素直な回頭性が際立ちます。
一方、湘南バイパスのジョイント(つなぎ目)など、厳しい路面ではロングボディ、ロングホイールベースのGLBの乗り味のよさが伝わってきます。GLBは30〜40代のファミリー層、30〜40代のアクティブな独身男性をターゲットに据えているそうで、2列目に小さな子どもを座らせる家族には、GLBの方が乗り心地の面では向いていそうです。
GLBのサードシートは、乗降時に苦労する点を踏まえる必要はありますが、大人には短時間用、非常用という印象。なお、GLBのカタログには「3列目シートは、乗車時の安全確保のため、身長168cm以下の乗員のみが使用できます。」という注釈が記載されています。
快適性、そして注釈付きの安全性を考えると、チャイルドシートやジュニアシートを卒業した子どもか、小柄な方に向くシート(乗降性は別にして)といえます。
また、GLAについては年内にAMG モデル(GLA 35 4MATIC /GLA 45 S 4MATIC+)を追加予定だそうで、マーケットの需要を鑑み、GLA 180も検討中とのこと。
「GLA 180」も導入されれば、エントリー価格も引き下げられるはずで、ライバルであるBMW X1が440万円〜という設定になっていますので日本上陸を期待したいところ。
なお、1グレードのみの新型GLA(200 d 4MATIC)の価格は502万円。
一方のGLBについては、「GLB 200 d 4MATIC」を導入予定(時期未定)としています。現在のGLBの2.0LディーゼルはFFのみとなっていますので、ディーゼル+4WDの組み合わせを待っている方もいそうです。
さらに、こちらもエントリー価格の引き下げが期待される「GLB 180」については市場のニーズを鑑み、導入すべく準備中とのこと。
現時点でのベストバイは、FFではあるものの、512万円という価格設定の2.0Lディーゼルターボを積む「GLB 200 d」のように思えました。トルクフルなディーゼルは重めのSUVとの相性がよく、4WDが必要な地域でない限り高い満足度が得られるはず。
サードシートが不要であれば、積載性の高さからもGLAを迷わず指名すればいいと思います。もし、欧州にあるGLBの2列シート仕様が日本に導入されれば、より高い積載力からアウトドア派の注目度は高まりそうです。
(文/塚田勝弘 写真/井上 誠、塚田勝弘)