■ビッグマイナーチェンジでトヨタ・アルファード/ヴェルファイアを追いかける
日産は、LLミニバンのエルグランドをマイナーチェンジし、2020年10月12日に発売しました。
現行エルグランドはライバルが全高を高める中、ロー&ワイドなスタンスと低重心プラットフォームにより高い居住性を備えながら、走りのよさも美点です。
今回のマイナーチェンジでは、迫力があり洗練されたフロントマスクに一新されています。外観は、繊細な作り込みで力強さに磨きをかけたフロントグリルが用意され、精悍な漆黒の「ブラッククローム」と高級感のあるエレガントな「サテンクローム」が設定されています。
ボディカラーは、日産の新色である「ピュアホワイトパール」「ミッドナイトブラック」「ディープクリムゾン」など2トーンを含む全5色をラインアップ。
●「360°セーフティアシスト」を全車に標準装備
一方の内装は、インパネからドアトリムにかけて水平基調に仕立てることでワイドな広がり感を演出しています。中央には、ピアノブラックでまとめられた10インチの大型ディスプレイが配され、先進的で高級感のある仕立てになっています。
先進感のあるコックピットに合わせたプレミアムシートは連続したキルティングパターンに変更され、より高級感がありモダンな仕上がりになっています。
前席の視界の良さに加えて、後席はリラックス姿勢を維持するシートバック中折れ機能を備えたキャプテンシートを採用。さらに、後席には角度調節可能なアームレストや折り畳み式シートサイドテーブル、大型オットマンなども装備され、リビングにいるような快適なキャビンを実現したとしています。
また、今回のマイナーチェンジ前から「踏み間違い衝突防止アシスト」や「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」「LDW(車線逸脱警報)」「インテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)」などの先進安全技術も採用されています。
今回のマイナーチェンジでは、全方向から運転をサポートする「360°セーフティアシスト」を全車に標準装備するなど、先進安全技術をさらにアップデートされています。
今回、新たに前方を走行する2台前の車両を検知し、急な減速などにより、自車の回避操作が必要と判断された際には、警報によってドライバーに注意を促す「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」、走行中に隣接レーンの後側方を走行する接近車両との接触を回避するようステアリング操作を支援する「インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)」、BSW(後側方車両検知警報)、RCTA(後退時車両検知警報)などの先進安全技術が標準化されています。
ほかにも、標識検知機能に進入禁止標識検知機能に加えて、最高車速標識検知機能と一時停止標識検知機能を追加。なお、エルグランドは、全車が「セーフティ・サポートカーS ワイドワイド(サポカーS ワイド)」該当車になっています。
さらに、漆黒のフロントグリルやフォグランプフィニッシャーなどの専用装備に加え、存在感を際立たせる輝きと力強さを誇る特別仕様車の「アーバンクロム」シリーズが新たに設定されたのもトピックス。
価格は3.5L V6の「VQ35DE」エンジン搭載車が447万8100円〜556万500円。2.5Lの直列4気筒「QR25DE」エンジン搭載車が369万4900円〜495万5500円です。
LLサイズのミニバンは、フロントマスクの押し出し感、存在感が全体のイメージにも影響すると思われるだけに、今回のマイナーチェンジで、独走するトヨタ・アルファード/ヴェルファイアをキャッチアップできるか注目です。
(塚田勝弘)