警察行政「2+1」 免許証とマイナンバーカードの一体化など…近日3大臣で打ち合わせ

■「警察関係の電子化が進んでいる。運転免許資格確認とか、情報共有ができればいいと考えている」

国会議事堂
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平井卓也デジタル改革相は2020年10月9日の閣議後会見で、小此木八郎国家公安委員長を交えて、警察行政のデジタル分野における規制改革について打ち合わせをすることを明らかにしました。

2+1とは、平井氏と河野太郎行政改革担当相の2人が、各省の大臣1人と規制改革や行政のデジタル化に関する意見のすり合わせをを目的にしたものです。警察行政の2+1の詳しい日程は決まっていませんが、10月12日からの週で予定されています。

運転免許制度はドライバーに最も影響する規制のひとつですが、それだけでなく警察行政の効率化についての道筋がつきそうです。

●運転免許資格確認

マイナンバーカードと運転免許証の一体化は、新内閣発足時に小此木氏が「菅義偉首相から強い指示」を受けて進展し始めたことですが、マイナンバーカードに免許証情報を連携させること以外は、具体的に決まっていないのが現状です。

スマホのアプリを使って免許証を表示させるなどの海外の事例は、今はアイデアのレベル。そのため警察庁では一体化と呼ばず、マイナンバーカードを活用した免許証のデジタル化と表現しています。行程表に盛り込める具体的な道筋が、2+1で進むことが期待されます。

運転免許の一体化は、健康保険証に続く第2弾ともいうべきものです。先行する健康保険制度や医療分野のデジタル化では、マイナンバーカードと健康保険証を一体化することで、オンライン診療の受診資格の確認につなげていく動きがあります。

免許制度では来年度、ゴールド免許保持者のオンライン更新時講習がモデル事業として実施されます。全国展開は3~4年後になる見込みですが、この運転免許資格の確認で一体化したマイナンバーカードが活用される可能性もあります。

●国民に歓迎される成果を実現

予定される「2+1」の議論で、平井氏は次のような点を強調しました。

運転免許証とマイナンバーカード(サンプル)
運転免許証とマイナンバーカード(サンプル)

「警察がシステムの見直しに積極的なスタンスで取り組んでいる。47都道府県にあったシステムをさらに効率化、そして利便性の高いものに変えていこうということで、IT戦略室とは長い間いろんな議論をして方向性は決まった。その内容は追って報告させていただく。が、システムが新しくなるということは、そこで単にコストダウンを図るということだけではなく、国民の利便性が上がるということも当然ある。そういう中身についてこれから議論させていただこうと考えている」

さらに、平井氏はこう付け加えました。

「システムを見直すことで、効率性と利便性を上げていく。国民に歓迎されるアウトカム(成果)が実現できるのではないかと考えている」

マイナンバーカードと免許証の一体化に象徴される警察行政のデジタル化は、始まったばかりです。

(中島 みなみ)