■必要最低限の美学を追求した新型ゴーストのデザイン
2020年9月1日に世界初公開されたばかりの新型ロールス・ロイスゴーストと、ロングボディのゴースト・エクステンデッドが10月5日、早くも発表されました。
ゴーストはロールス・ロイスサルーンの中でコアモデルという位置づけで、2009年に発売された先代モデルは10年間の生産期間において、ロールス116年の歴史の中で最も多くの販売台数を記録したモデルとのこと。
世界初公開からわずか1カ月後に日本で発表されるということは、それだけロールス・ロイスが日本市場を重要視していることの表れと言えるでしょう。新型ゴーストの車両本体価格は3590万円から、そしてゴースト・エクステンデッドは4200万円からとなっています。
新型ゴーストは、すでにフラッグシップサルーンのファントム、ラグジュアリーSUV、カリナンに採用されているアルミ製のスペースフレームアーキテクチャーを使用。さらにスペースフレームの二重構造のバルクヘッドとフロア構造のパッケージングも大幅に改良されています。
この改良は、4WDシステム、4WSシステム、そして設計を一新したプラナー・サスペンション・システムを搭載するために行われ、「マジック・カーペット・ライド」と呼ばれるロールス・ロイス特有の乗り味はさらに進化しています。
このプラナー・サスペンション・システムは、「完全に平らで水平な幾何学的平面」を指す「プラナー」にちなんで名付けられました。まるで地上を飛んでいるような乗り心地を実現したサスペンション・システムは、フロントサスペンションアセンブリーの上部に世界初のアッパー・ウィッシュ・ボーンダンパーを装着し、さらに向上した安定感と快適な乗り心地を実現しました。
搭載されているエンジンは、ロールス・ロイスの6.75L V型12気筒ツインターボガソリンで、ゴースト専用にチューニングが施され、最高出力571ps・最大トルク850Nmを発生。トランスミッションは8速ATが組み合わされ、駆動方式は4WDとなっています。
このパワフルなV12エンジンは、アイドリング回転数よりもわずかに高い1600rpmの低回転域で瞬時に最大トルクが立ち上がります。そして、走行中でも無音に近い静粛性を実現しているのが特徴です。
新型ゴーストは、ロールス・ロイスの最新モデルらしく最新の運転支援システムを搭載しています。
照射距離600m以上というLED・レーザー・ヘッドライトをはじめ、昼夜を問わず路上の野生動物や歩行者を検知して警告する機能を備えたビジョン・アシストアラートネス・アシスタント、業界最高水準の7×3インチの高解像度ヘッドアップディスプレイなど最先端の装備が充実しています。
また、新搭載された「マイクロ環境浄化システム(MEPS)」はキャビン内の空気をナノフリース・フィルターに誘導し、車内の空気から極めて微細な粒子とバクテリアのほぼすべてを2分以内に除去することができるというスグレモノです。
「ポスト・オビュレンス(脱贅沢)」をデザインコンセプトとして開発された、新型ゴースト。先代よりはポップなデザインとなっていますが、放たれる威厳はまったく変わっていません。
【新型ゴースト(8速AT)主要諸元】
●全長×全幅×全高:5545(エクステンデッドは5715mm)×2000×1570
●ホイールベース:3295mm(エクステンデッドは3465mm)
●車両重量:2540〜2600kg
●エンジン種類:V型12気筒ツインターボ
●総排気量:6748cc
●最高出力:571ps/5000rpm
●最大トルク:850Nm/1600〜4250rpm
●サスペンション 前/後:ダブルウィッシュボーン式/R:マルチリンク式
(文・写真:萩原文博)