MINIクロスオーバーがビッグマイナーチェンジ。SUV(SAV)テイストを強調【新車】

■クリーンディーゼル、ガソリン、プラグインハイブリッドを設定

2020年5月にドイツ本国でMINIクロスオーバー(欧州名は、MINIカントリーマン)のマイナーチェンジモデルが発表されていました。日本でも2020年9月30日、MINIクロスオーバーがマイナーチェンジを受け、同日から発売されています。なお、デリバリーの開始は同年10月以降の見込み。

MINIクロスオーバー
本国に続き日本でもマイナーチェンジを受けたMINIクロスオーバーが日本上陸

2011年にMINIの4番目のモデルとして登場したクロスオーバーは、MINI5ドアが登場するまでファミリーユースを中心に、日本でも高い人気を得てきたモデル。一時期は貴重な4ドアモデルとしてMINIシリーズの中で半数を超えるシェアになっていたそうです。

MINIクロスオーバー
新型MINIクロスオーバーのエクステリア

2017年に2代目の現行型に移行し、今回マイナーチェンジを受け、エクステリアデザインを中心に刷新され、機能性も向上させることで、MINI初のプレミアム・コンパクトSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)に変身しています。

MINIのCセグメントモデルでは、クラブマンもあり、クロスオーバーをよりSUVテイストに仕立てることで、差別化がより図られた形になります。ボディサイズは全長4315×全幅1820×全高1595mmで、ホイールベースは2670mm。ワイドな全幅が特徴となっています。

●8速ATをプラグインハイブリッドを除き全車に搭載

パワートレーンは、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンのほかに、MINIシリーズ初のプラグインハイブリッドとして設定された「MINI Cooper S E Crossover ALL」も引き続き設定されています。トランスミッションは、シフトバイワイヤ機構が採用された電子制御式8速ATを全車に標準化(プラグインハイブリッドのMINI Cooper S E Crossoverを除く)されています。

MINIクロスオーバー
新型MINIクロスオーバーのリヤビュー。写真はプラグインハイブリッド仕様

ガソリンエンジンは、MINIのハイパフォーマンスモデル向けのMINIツインパワー直列4気筒ガソリンエンジンが搭載された「MINI John Cooper Works Crossover ALL4」を用意。最高出力306PS(225kW)/5000rpm・最大トルク450Nm/1750-4500rpmを発揮し、中・低速域の分厚いトルクに加えて、高速域のパンチ力も備えた仕様で、0-100km/h加速は5.1秒。

2.0L直列4気筒ディーゼルエンジン搭載モデルには、150PS/350Nmの「MINI Cooper D Crossover」「MINI Cooper D Crossover ALL4」があります。さらに、同じく2.0L直列4気筒ディーゼルを積み、最高出力190PS(140kW)・最大トルク400Nmを発揮する「MINI Cooper SD Crossover ALL4」を設定。

MINIクロスオーバー
プラグインハイブリッド「S E」の充電イメージ

EV走行が可能なプラグインハイブリッドの「MINI Cooper S E Crossover ALL4」は、200Vの普通充電で約3.5時間で満充電になり、電気のみで最大約53kmの走行が可能です。1.5L直列3気筒エンジンとの組み合わせにより、ハイブリッド燃料消費率は14.8km/Lとなっています。システムトータル最高出力は224PS(165kW)、システムトータル最大トルクは385Nm。

MINIクロスオーバー
丸型から四角いヘッドライトに変更された

注目のエクステリアは、前後バンパーのデザインが一新され、サイドのエアインテークを大きく、直立させて強調することで、より力強く、ダイナミックな印象になっています。

さらに、新型MINIクロスオーバーに標準装備されるLEDヘッドライトの形状が従来の丸型から角型に変わったことで、キリッとした顔つきになっています。

MINIクロスオーバー
MINIクロスオーバーのインテリア

リヤビューで目を惹くのは、LEDコンビネーションのテールランプで、ほかのMINIシリーズと同様、ユニオン・ジャックのモチーフが使われたデザインになり、英国生まれのMINIらしさを後ろ姿でもアピールしています。

オプションの「MINI ALL4エクステリア」をチョイスすると、前後のバンパーにアルミマット調の加飾が用意されます。さらに、フロントとリヤにも同色のアンダーガードが施され、よりSUVらしさが強調されます。

MINIクロスオーバー
MINIクロスオーバーのセンターディスプレイ

「ピアノ・ブラック・エクステリア」を選択すると、ライトやフロントグリルまわり、ドアハンドル、テールゲートの「Crossover」エンブレムなどのパーツがピアノブラックでコーディネイトされ、上質でモダンな雰囲気を醸し出します。

ボディカラーでは、SUV(SAV)らしさを演出する「セージ・グリーン・メタリック」、クールなイメージの「ホワイト・シルバー・メタリック」、洗練された都会的な色合いの「ムーンウォーク・グレー・メタリック」の3色が追加されています。

インテリアでは、視認性に優れた「マルチ・ディスプレイ・メーターパネル」の採用(MINI John Cooper Works Crossoverに標準装備、そのほかモデルにはオプションで装備可能。)がトピックスで、多様な情報が表示されます。

センターディスプレイは、従来のタッチコントロールに加えて、操作ボタンをフラットになり、シンプルでモダンなデザインになっています。また、個性を際立たせるオプション装備である「MINI Yours(ユアーズ)インテリア・スタイル」に、繊細なライトニングにより上質なキャビンを印象づける「シェーデッド・シルバー・イルミネー・テッド」が新たに加わっています。

最新の安全装備も用意されています。ストップ&ゴー機能付きのアダプティブクルーズコントロール、前車接近警告機能、衝突被害軽減ブレーキ、LEDフロントのフォグランプを標準装備。また、コーナリングライト付LEDヘッドライト、LEDデイライトリングが全車標準装備になり、視認性の向上も図られています。

さらに、「John Cooper Works」では新型の「マルチディスプレイメーターパネル」とヘッドアップディスプレイが標準化され、視線移動を減らすことで安全性を向上させています。また、全車標準のナビゲーションシステムには、タッチパネルでの操作のほか、手元でも操作可能な「MINIコントローラー」が用意されています。

MINIクロスオーバー
MINIクロスオーバーのフロントシート

「MINI Connected」も標準装備されています。車載通信モジュールにより車両外部との通信によるコネクティビティを高め、ドライビングと日常生活のシームレスなサービスや様々な情報を入手できるほか、「MINI SOSコール」やテレサービスなど、もしもの時に備える安心、安全も加わっています。

価格は、ディーゼルエンジン車では「MINI Cooper D Crossover」が430万円、「MINI Cooper D Crossover ALL4」が454万円、「MINI Cooper SD Crossover ALL4」が510万円。プラグインハイブリッドの「MINI Cooper S E Crossover ALL4」は510万円。ガソリンエンジンを積む「MINI John Cooper Works Crossover ALL4」が609万円です。

MINIクロスオーバー
SUVテイストを増したリヤまわり

輸入CセグメントSUVは、アウディQ3/Q3スポーツバック、メルセデス・ベンツGLA/GLB、フォルクスワーゲンT-ROCなどの新型のほか、ボルボXC40、プジョーSUV 3008、シトロエンC5エアクロスSUVなどがあります。また、「BMW」ブランドでは大人気のX1/X2もあり、多彩な選択肢が揃っています。

BセグメントSUVも含めればさらに大激戦になり、ビッグマイナーチェンジを受けたMINIクロスオーバーが「MINI」シリーズのブランド力でヒットモデルになるのか気になります。

※上記写真は、欧州仕様のカントリーマン。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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