■「和」のテイストも盛り込まれた未来のインフィニティを示す
2020年9月25日、日産自動車は大型3列シートSUVの「インフィニティQX60 Monograph」を公開しました。「Monograph」は、単なるデザインスタディやコンセプトモデルではなく、インフィニティが目指す、未来のクルマの変革について示すモデルとしています。
現行のインフィニティQX60は、全長5085×全幅1960×全高1720mm、ホイールベースは2900mmに達します。「QX60 Monograph」では、インフィニィティの未来の3列シートSUVの魅力を高めるデザイン要素やプロポーションが一部提案されています。
現在の「QX60」はファミリー層に人気があり、広々としたパッケージングと独自の快適な3列シートを用意。「QX60 Monograph」のプロポーションには、こうした強みを残しながらも、より空力性能の高い力強いシルエットでモデルを変革したいというインフィニティの思いが反映されたそう。
サイドから見ると、力強い水平のボンネット、力強いフェンダー、長いホイールベースが目を引きます。緩やかに傾斜したAピラー、次第に細くなる涙のしずくのような形のグラスハウスが、流れるような洗練された輪郭を生み出しています。
ワイドボディであることを強調しているリヤビューは、水平になったウインドウのラインが落ち着きと安定感を与えています。さらに、高いショルダーラインにより、重心を上げて見せます。
屋根と精巧に一体化された、グロスブラックのリヤルーフスポイラーへと続く流麗なラインが、空力性能に優れたエクステリアを演出。足元では、「インフィニティ」の名前が浮き上がった、目を引くフェンダーに大口径合金ホイールを採用することで、その性能にインスパイヤされた美学を強調したそう。
●横浜のグローバル本社と2020年北京モーターショーのインフィニティ・ブースで公開予定
また、インフィニティの特徴である、「ダブルアーチ」グリルのインナーメッシュは、日本の伝統的な遊びである折り紙からインスピレーションを得たそう。そのため、二次元的な平面でありながら、三次元的な奥行きも演出されています。
バンパー下部の角にあるサイドエアインテークにも、同じメッシュのパターンが採用されています。広いトレッド幅と車体のシャープなラインが相まって、安定感と洗練されたビジュアルを実現しています。
さらに、「和」のテイストでは、大きなパノラマルーフには、「着物の織」をイメージした模様を用意。垂直な線が入り組んだ幾何学模様は、絹の着物のひだや日本の現代建築の構造からインスピレーションを受けたとのことです。
ヘッドライトも先進的な造形と機能になっています。フロントとテールの複雑な「デジタルピアノキー」ライトが未来的な外観を作りだし、人間の芸術性と最新技術を融合するという、インフィニティの思いを表現したとしています。ヘッドライトの内部構造は、放熱器から着想を得た直線が並んだ形状とパターンが採用されています。
加えて、フロントがブライトホワイト、リヤがウルトラレッドのライトには、「無限の彼方へと向かう開けた道」を表現した光るエンブレムが付いています。ロックを解除すると、前後のロゴを起点にヘッドライトまで順にランプが点灯して、ドライバーを迎え入れてくれるそう。着色されたテールランプは、消灯すると車両後部を包み込みリヤの側面と一体化して連続した形状を作り出します。点灯すると、「ピアノキー」ライトが輝いて未来的で美しい光を放ちます。
今回、公開された「QX60 Monograph」は、完全なパッケージとして次世代の「QX60」に向けてインフィニティが採用するデザインの変革を明らかにしたもので、次世代「QX60」の量産モデルは2021年に発表の見込み。
なお、「QX60 Monograph」は、横浜のグローバル本社と2020年北京モーターショーのインフィニティ・ブースで公開予定としています。
(塚田勝弘)