■Z三昧の2日間は天気も気持ちも「雨のち晴れ」!
●走る喜びを再確認!
奇しくも2020年9月16日、日産の新型フェアレディZプロトタイプのデジタルアンヴェールイベントが開催される直前の9月12日~13日、私はZファンが集うふたつのフェアレディZ・ワンメイクレースに出場しました。
私はZの美しいフォルム、そして走りに魅了されているひとりですが、今回はZの魅力をよく知るおふたりにZの魅力を語って頂きました。
まずはZのチューニングで名高いGarage4413・高村嘉寿代表によれば「自分にとってスポーツカーは2ドア、2シーターのFR車。この条件で今買いやすいのがZです。また、自分が乗っていた経験から、ドライバーを育てるクルマ、ドライビングスキルを学べるクルマだと思う」と語ってくれました。
そして、今回のZレースを取材されたREV SPEED・塚本剛哲編集長は「Zは近代的なFRスポーツカーの代表格。ガタイは大きいがハンドリングもよく、凄く軽快に走る。それにタフで壊れにくい。この大会をみても、オーナーの方々それぞれがライトチューンしながら楽しんでいる。そして、やっぱり音がいい」と、さらに深くZの魅力を話てくださいました。
さて、そのZの走りを楽しむべく、勇んで9月12日のZチャレンジに参加しましたが、初めての袖ヶ浦フォレストレースウェイ、そして予想に反した低い気温とウェット模様の中、クルマのセットを大外ししてしまい、出走22台中13位と悔しい結果になりました。
これまで数々のZレースに出場して来ましたが、表彰台を逃したのは今回が初めてということで、私の心中もこの日の天候のように「雨模様」でした。
翌9月13日のZエキスパートトロフィー(筑波)は、前日とはうって変わった晴天となり、私もこの天気同様に気持ちをリセット、マシンのセットも全て変えて挑みました。
この日は完全なドライコンディションの中、予選でクルマの動きを確認しつつ、出走25台中で3番グリッドという好位置に付けました。
そして、Garage4413・高村代表とともに予選の走りを分析し、決勝レースは必勝を期してさらに「走りを変える」ことにしました。
その決勝、まずまずのスタートが切れましたが、2番手の選手が最高のスタートを切り、私の目の前でトップと順位が入れ替わりました。
引き続き3番手の私は、トップワン、ツーのバトルの後ろで虎視眈々とチャンスを伺いながら、とにかく小さなミスもしないように周回数を重ねました。
2番手の選手がダートに片輪を落とし、姿勢が乱れたところで1台をパスして2位に浮上、次に裏ストレートのスリップストリームを使ってトップの選手を最終コーナーでインから抜くことに成功しました。
そこからはトップの座を維持する我慢のレース、今一度集中を切らさないようにと周回数を重ねそのままゴールイン、優勝することができました! まさに、2日間がかりで「雨のち晴れ」の逆転劇となりました。
2日間ともレースをご覧になった方からは「まるでドラマのシナリオだね」と嬉しいお声がけを頂きました。
このレースの模様はREV SPEED2020年12月号付録DVD(10月26日発売)に収録されますので、ぜひご覧下さい。
今回、2日連続、違うサーキットでZレースに出場となりましたが、違う路面、刻々と変わる天候へ対処など、1週間前のスーパー耐久富士24時間レースの経験が大変役立ったと思います。
また、今季はなかなかレース参戦が出来ずにフラストレーションが溜まっていましたが、9月に入ってスーパー耐久、Zレースの2連戦と、改めて走る喜びを噛みしめることが出来ました。
残念ながら当初参加を予定していた9月のラリー大会は中止になりましたが、10月以降に4つのドリフト大会に出場する予定ですので、そこでも走る喜びを胸に爆走したいと思っています。
(レーシングドライバー・塚本 奈々美)