■セイフティーカー2回導入の荒れたレース
2020シーズンのSUPER GT第4戦『FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE』の決勝レースが9月13日午後、栃木県のツインリンクもてぎで行われました。
雨予報となったツインリンクもてぎですが、結局のところスタートまで雨が降ることはなく曇り空で切られたスタート。ポールポジションの360号車 RUNUP RIVAUX GT-Rが1周目から一気にリード!2番手に25号車 HOPPY Porscheが続きます。3番手は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT。BRZはエンジントラブルでウォームアップ走行を走れませんでしたが修復が間に合い、スターティンググリッドからスタート。
RUNUP RIVAUX GT-Rは序盤から大きなリード! その後ろの2番手はHOPPY Porscheを先頭に僅差で争われます。
順調に周回を重ねていくように見えたレースですが、9周目のV字コーナーで9番手を走っていた87号車 T-DASH ランボルギーニ GT3が、GT500クラスの8号車 ARTA NSX-GTと接触しスピン。V字コーナーをショートカットして19号車 WedsSport ADVAN GR Supraとクラッシュしてしまいます。これでセイフティカーが導入されます。
この隊列のなかで、22号車 アールキューズ AMG GT3と背後の7号車 Studie BMW M6がクラッシュ。このふたつのアクシデントにより、セーフティカーは14周目まで導入されることとなります。
レースは15周目に再開されます。20周を過ぎる頃になると、トップのRUNUP RIVAUX GT-R以外の上位陣がピットインを始めていきます。
その中65号車 LEON PYRAMID AMGは予選13位から10番手までポジションを上げて、21周を終えてピットイン。ここでLEONはタイヤ無交換の作戦実行しピット作業時間を短縮。トップを狙える位置にマシンをを送り込んだのです。
一方、トップを行くRUNUP RIVAUX GT-Rは32周目でピットイン。しかしピットアウトしたRUNUP RIVAUX GT-Rの横を65号車が通過し、65号車はトップを奪います。360号車は追う展開となります。
その後では、SUBARU BRZ R&D SPORT、88号車 JLOC ランボルギーニ GT3にHOPPY Porsche、そして9号車 PACIFIC NAC D’station Vantage GT3が激しい表彰台争いを繰り広げています。
終盤となった43周目に、GT500の2台が接触でコース上にパーツが散乱し、この回収のために2度目のセイフティカーが導入されます。トップのLEON PYRAMID AMGはRUNUP RIVAUX GT-Rとの間の6秒ほどのリードが帳消しとなります。
セイフティカーが解除されるとRUNUP RIVAUX GT-Rは、タイヤが厳しくなってきたトップのLEON PYRAMID AMGに接近。ところがチェッカーまで残りわずか2周のところでマシントラブルが発生したのか、RUNUP RIVAUX GT-Rが突如ストップしてしまいます。
■タイヤ無交換作戦大成功!
RUNUP RIVAUX GT-Rの脱落でLEON PYRAMID AMGがトップチェッカー。タイヤ無交換作戦が大成功となり優勝を果たしました。
チームとしては2018年第8戦もてぎ以来の優勝で、ルーキーの菅波冬悟選手にとってはSUPER GTでの初優勝!
2位はLOC ランボルギーニ GT3。3位はSUBARU BRZ R&D SPORT。となります。
LEON PYRAMID AMGは2020シーズンでポイントを取りこぼしていない唯一のチーム。今回の優勝でトップと1ポイント差のランキング2位となりました。
SUPER GTの無観客開催もこの第4戦もてぎでひとまず終わり、第5戦の富士からは観客動員での開催となります。
政府のガイドラインによりチケットの販売枚数や感染予防対策により入場制限される個所などもありますが、このドラマティックなSUPER GTを生で観戦できる機会が出来ること、感動を分かち合えることに、素直に喜びを隠しえません。
(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)