■先進安全装備の強化と内外装の質感向上を実施
2020年9月15日、ダイハツ・トールがマイナーチェンジを受けました。OEM供給されている、トヨタ・トール/タンク、SUBARUジャスティを含めて登場から4年近く経ち、累計70万台のヒットモデルになり、コンパクトハイトワゴン市場規模を2倍まで引き上げた牽引役となっています。
ボディサイズは全長3700~3705mm×全幅1670×全高1735mm。5ナンバーサイズ枠の全幅を余したコンパクトなサイズで、最小回転半径は4.6~4.7mという小回り性能の高さが美点。
主なユーザーは、軽自動車からの乗り替え、またはミニバンなどからのダウンサイザーになっているそう。小さくても背が高いため車内が広く、両側スライドドアなどにより、子育て層に使いやすいモデルになっています。
こうした取り回し・使い勝手の高さが美点である一方で、軽自動車で培ったノウハウを活かしたという謳い文句もあり、質感の面でチープという声があったそう。軽自動車で磨かれた技術などは、パッケージの面で確かに活かされている一方で、質感はもう少し……というのは否めなかったかもしれません。
■「スマートアシスト」をアップデート
今回のマイナーチェンジでは質感向上を果たすべく、トールのエクステリアではフロントバンパー&グリルの新デザイン、新たにLEDヘッドランプの採用(Gターボ、Gに標準装備、Xにメーカーオプション)、14インチフルホイールキャップに新意匠が施されています。
また、トールのインテリアでは、内装色(ブラウン)のトーン変更、座り心地とホールド性を向上したシート形状、内装色と統一感を持たせたシート色(ブラウン)、センタークラスターパネルの新デザインによりクオリティアップが図られています。
トールカスタムのエクステリアには、フロントバンパー&グリルの新デザイン化、ADB(アダプティブドライビングビーム)採用のヘッドランプ新デザイン、新意匠の15インチアルミホイールとリヤコンビネーションランプを装備。
一方のインテリアには、アクセントカラー(ブルー)のトーン変更をはじめ、シートの座り心地とホールド性を向上、シート表皮の色味(ブラック、青ステッチ)変更、センタークラスターパネル新デザインが盛り込まれています。
機能面では、「スマートアシスト」の進化がトピックス。新型ステレオカメラが搭載され、衝突警報機能、衝突回避支援ブレーキ機能に夜間歩行者の検知、追従二輪車検知が加わっています。さらに、検知距離、対応速度の向上を実現。
今回新たに、ブレーキ制御付誤発進抑制機能(前方・後方) 、路側逸脱警報機能、ふらつき警報、標識認識機能(進入禁止、一時停止、最高速度) 、カスタムGターボ、カスタムGには、ADB(アダプティブドライビングビーム) とサイドビューランプが標準で加わっています。
また、高速道路での巡航時に助かる全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール) も用意。
使い勝手の向上も図られています。
電動パーキングブレーキをダイハツ小型車として初採用され、シフト操作に連動してパーキングブレーキが作動し、アクセル操作による解除が可能になり、踏力不足や解除忘れを抑制。
また、オートブレーキホールド機能が用意され、ブレーキを踏んで停止した時にブレーキを保持し、アクセルを踏むと自動で解除されます。シートの形状も大幅に改良され、座り心地とホールド性が向上したとしています。
加えて、乗降時をサポートする機能も装備されています。ドアロックまでの待ち時間を解消するタッチ&ゴーロック機能を追加。さらに、近づくだけでドアロックを解除するウェルカムドアロック解除を採用。予約しておくと、近づくだけでスライドドアが自動で開くウェルカムオープン機能も用意されています。
インテリアでは、9インチディスプレイオーディオがメーカーオプション設定され、スマホアプリ連携機能などが使用できるようになっています。センタークラスターパネルにUSBソケットが追加され、助手席アッパートレイをティッシュBOXが収納できるサイズに拡大されています。
価格帯は155万6500円~209万円。なお、1.0L直列3気筒エンジンを積む新型トールの燃費は、WLTCモードで16.8km/L~18.4km/Lとなっています。
(塚田勝弘)