日産フェアレディZ、7代目となる新型がスタンバイ! 6世代の歴代フェアレディZを振り返る ~プロローグ~

■新型フェアレディZは9月16日にプロトタイプが公開予定

みなさん、クリッカーや他のメディアなどでご存じのとおり、9月16日に日産が最新7代目フェアレディZのプロトタイプを公開することはご存じでしょう。
7代目を数える新型の登場時期はまだ明確にされてはいませんが、どうやら初代S30型を彷彿させるスタイルに回帰するようです。

新型のプロトタイプ公開を前に、過去6世代に渡るフェアレディZの歴代モデルを簡単に振り返ってみます。

 

■初代フェアレディZ(S30型:1969~)

初代フェアレディZ(S30型)
初代フェアレディZ(S30型)

「1970年代」という新しい時代を迎える直前の、1969(昭和44)年10月18日に発表されました。
ロングノーズ&コーダトロンカ(フランス語で「しっぽちょん切り」の意)のファストバック・2人乗りスポーツクーぺとしてスタート。エンジンは直列6気筒の2Lだけですが種類は2つで、「Z」「Z-L」は130psのL20型を、160psの「Z432」はS20型を搭載しました。
途中でAT車や4人乗り「2by2」、2.4L車を追加しながら、9年もの間販売されました。

【スペック】日産フェアレディZ(S30型・4MT・1969(昭和44)年10月)
●全長×全幅×全高:4115×1630×1285mm ●ホイールベース:2305mm ●タイヤサイズ:6.45H 14-4PR ●最低地上高:160mm ●車両重量:975kg ●乗車定員:2名 ●エンジン:L20(水冷直列6気筒SOHC) ●最高出力:130ps/6000rpm ●最大トルク:17.5kgm/4400rpm ●車両本体価格(当時・東京価格):93.0万円

 

■2代目フェアレディZ (S130型:1978~)

2代目フェアレディZ(S130型)
2代目フェアレディZ(S130型)

2代目Zは1978(昭和53)年8月に発売されました。
9年を経ての初モデルチェンジですが、ロングノーズにリヤのコーダトロンカ、フロントランプの形状など、初代で早くも定着させた、誰が見ても「Z!」のイメージを大きく踏襲しています。
ボディは初代からずいぶん大きくなり、初手から2人乗りの2シーター、4人乗りの2by2の2路線が敷かれました。
エンジンは直列6気筒2LのL20型、2.8LのL28型の2種。途中でTバールーフ付きや2Lターボ+60タイヤ付き仕様が追加されました。

【スペック】日産フェアレディZ-L 2by2(S130型・5MT・1978(昭和53)年8月)
●全長×全幅×全高:4540×1690×1305mm ●ホイールベース:2520mm ●タイヤサイズ:195/70HR14 ●最低地上高:150mm ●車両重量:1225kg ●乗車定員:4名 ●エンジン:L20E(水冷直列6気筒SOHC) ●最高出力:130ps/6000rpm ●最大トルク:17.0kgm/4000rpm ●車両本体価格(当時・東京価格):179.3万円

 

■3代目フェアレディZ (Z31型:1983~)

3代目フェアレディZ(Z31型)
3代目フェアレディZ(Z31型)

前回より短い5年のスパンでフルチェンジ、1983(昭和58)年9月にZ31型3代目へ。
過去2代のロングノーズ・リヤのコーダトロンカ、2シーターに2by2という「Z」の作法に則っていますが、2代目、3代目へと進むにつれ、初代でプンプン漂っていたスポーツカー臭は薄れ、グランドツアラーの趣が濃くなっていることがわかります。
その象徴かどうかわかりませんが、3代目ではエンジンをいきなり全車種V6ターボに徹しました(排気量はVG20ETの2LとVG30ETの3Lの2種)。その後に直6を復帰させた後、アメリカの日産デザイン拠点・NDIの手によるビッグマイナーチェンジで大変身!

【スペック】日産フェアレディ300ZX 2シーター(Z31型・4AT・1983(昭和58)年9月)
●全長×全幅×全高:4335×1725×1295mm ●ホイールベース:2320mm ●タイヤサイズ:215/60R15 ●最低地上高:150mm ●車両重量:1330kg ●乗車定員:2名 ●エンジン:VG30ET(水冷V型6気筒SOHC ターボ付) ●最高出力:230ps/5200rpm ●最大トルク:34.0kgm/3600rpm ●車両本体価格(当時・東京価格):324.0万円

■4代目フェアレディZ (Z32型:1989~)

4代目フェアレディZ(Z32型)
4代目フェアレディZ(Z32型)

バブル期真っただ中の1989(平成元)年7月に発表された4代目フェアレディZ です。
物品税廃止、消費税導入で5ナンバー車と3ナンバー車の税区分の壁がなくなったことから、ついぞボディ幅は1700mm超の完全な3ナンバーボディに。
エンジンは再びV6に集約、ターボ仕様は過給器を2つ持つツインターボとなり、他には4輪マルチリンクサスペンションに日産式4輪操舵の最新版・SUPER HICAS・・・好景気時代にものいわせ、あれもこれもと最新技術をふんだんに採り入れた4代目Zでした。
ボディバリエーションは従来と同じですが、2by2はTバールーフのみとなりました。そして1993年にはZとしては初のフルオープンモデル「フェアレディZコンバーチブル」を発売しましたが、21世紀初頭に再び厳しくなり始めた排ガス規制への対応が困難だったことから、2000年に生産中止に追い込まれました。

【スペック】日産フェアレディ300ZXツインターボ 2シーター Tバールーフ(Z32型・4AT・1989(平成元)年7月)
●全長×全幅×全高:4310×1790×1250mm ●ホイールベース:2450mm ●タイヤサイズ:225/50R16 ●最低地上高:130mm ●車両重量:1530kg ●乗車定員:2名 ●エンジン:VG30DETT(水冷V型6気筒DOHC ターボ付) ●最高出力:280ps/6400rpm ●最大トルク:39.5kgm/3600rpm ●車両本体価格(当時・東京価格・消費税抜き):425.0万円

■5代目フェアレディZ(Z33型:2002~)

5代目フェアレディZ(Z33型)
5代目フェアレディZ(Z33型)

2年の休止期間を経てZ33が発表されたのは2002(平成14)年7月。過去Zと異なってこのモデルから2シーターのみとなり、プラットホームはZ33の少し後に発表されるV35スカイラインクーペと共通になりました。4人乗り「2by2」の思想はV35クーペに任せ、両車の車両キャラクターを鮮明にする作戦でもあります。スカイラインクーペとのメカ部共用化は車両価格に表れ、ゴーン社長(当時)の「アメリカでは3万ドルで売りたい」という望みを実現し、実際にこの価格が話題になりました。

【スペック】日産フェアレディZ Version ST(Z33型・6MT・2002(平成14)年7月)
●全長×全幅×全高:4310×1815×1315mm ●ホイールベース:2650mm ●タイヤサイズ 前/後:225/45R18 / 245/45R18 ●最低地上高:120mm ●車両重量:1450kg ●乗車定員:2名 ●エンジン:VQ35DE(水冷V型6気筒DOHC) ●最高出力:280ps/6200rpm ●最大トルク:37.0kgm/4800rpm ●車両本体価格(当時・東京価格・消費税抜き):360.0万円

 

■6代目フェアレディZ (Z34型:2008~)

現行6代目フェアレディZ(Z34型)
現行6代目フェアレディZ(Z34型)

そして2008(平成20)年12月に発表されていまに至る、6代目にして現行Z34型フェアレディZ 。
見た目はZ33の路線継承に見えますが中身は別もので、特にサスペンションは4輪マルチリンクから前輪だけダブルウィッシュボーン式に変わりました。
内外装は2代目の「変わらないようで変わり、変わったようで変わらない」があてはまるかも知れません。外形デザインのクールで硬質な印象だった面質は柔らかさを帯びたやさしいものに変わり、インテリアの造り込みも格段に向上しました。
登場から12年が経ち、次作Z35(?)への世代交代がいよいよ近づいています。

【スペック】日産フェアレディZ Version ST(Z34型・7AT・2008(平成14)年12月)
●全長×全幅×全高:4250×1845×1315mm ●ホイールベース:2550mm ●タイヤサイズ 前/後:245/40R19 / 275/35R19 ●最低地上高:125mm ●車両重量:1530kg ●乗車定員:2名 ●エンジン:VQ37VHR(水冷V型6気筒DOHC) ●最高出力:336ps/7000rpm ●最大トルク:37.2kgm/5200rpm ●車両本体価格(当時・東京価格・消費税込み):446.25.0万円

 

今回は歴代Zを振り返るプロローグ。次回は初代Zをもう少し詳しく見ていきます。幻のZも出てくるョ。

お楽しみに!

(文:山口尚志 写真:日産自動車)