GRヤリスが早くも伝説に!富士24時間レースでデビューWIN。それもPole to Win【ピレリスーパー耐久シリーズ2020】

■GRヤリス、デビューレースがいきなり富士24時間!

9月5日の15時にスタートして6日の15時にフィニッシュという、現在日本で行われる唯一の24時間レースが、ピレリスーパー耐久シリーズ2020開幕戦「NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」。

優勝を喜ぶモリゾウ選手と豊田大輔選手
優勝を喜ぶモリゾウ選手と豊田大輔選手

本来なら鈴鹿5時間レース、SUGO3時間レースを経ての富士24時間レースというスケジュールなのですが、今年はコロナ禍の影響でスケジュールの組みなおしが行われ、開幕戦が富士24時間レースというビッグイベントとなりました。

今年デビューするマシンも数多く、デビューマシンにとっていきなりの24時間レースは過酷すぎるのではないか?と思われることでしょう。

ROOKIE Racing GR YARIS
ROOKIE Racing GR YARIS

2月と7月に行われたスーパー耐久富士公式テストで、未完成ながらかなりのタイムで周回を重ねていたROOKIE Racing GR YARISも富士24時間レースがデビュー戦となります。

ROOKIE Racing GR YARIS
ROOKIE Racing GR YARIS

参戦するクラスはST-2クラスで、ライバルはSUBARU WRX STIや三菱ランサーエボリューションXという、2リッターターボ300馬力オーバーの4WDマシン。

対するROOKIE Racing GR YARISは1.6リッター3気筒ターボ272馬力の4WD。

エンジンは全く手を付けていないと言われるROOKIE Racing GR YARISとライバルの出力差は30馬力以上で、ドライでのストレートスピードでは明らかに最高速で差がついてしまいます。

ROOKIE Racing GR YARIS
ROOKIE Racing GR YARIS

ROOKIE Racing GR YARISの強みはライバルに比べて軽いこと。そのため、ダンロップコーナーから最終パナソニックコーナーまでの曲がりくねった第3セクターは常にライバルを圧倒し、トータルのタイムを圧縮していきます。

ROOKIE Racing GR YARIS
ROOKIE Racing GR YARIS

7月のテストではROOKIE Racingの片岡龍也監督が「特に24時間レースはGRヤリス、GRスープラともに、まだ見ぬ不具合を洗い出すための参戦」と語っていましたが、その2台とも各クラスのポールポジションを獲得!

ROOKIE Racing GR YARIS
ROOKIE Racing GR YARIS

市販車デビューからほぼ1年経ち、FIA GT4マシンも開発中というGRスープラは、デビューレースと言ってもマシン開発がある程度は進んでいると考えられます。

それに対して、この富士24時間レースの予選日である9月4日に市販車が発売されたGRヤリスは、昨年12月のTOYOTA GAZOO Racing Festivalでプロトタイプのお披露目、今年1月の東京オートサロン2020で発表されました。

スーパー耐久マシンとしての開発にあまり時間をかけていないため、24時間レースを走り切れるのかどうかに注目が集まりました。

しかし「まだ見ぬ不具合を洗い出すための参戦」ということで24時間レースであってもマシンを労わりながら壊さないように走るということとは無縁の、まさに全コーナー全開での走りを魅せまくりました。

ROOKIE Racing GR YARIS
ROOKIE Racing GR YARIS

レース前に24時間レースの2倍、48時間の全開ベンチテストを行ない、机上では不具合が発生しないとしながらも、本当にほぼノートラブルで24時間を走り切ってしまったGRヤリスのポテンシャルに、ライバルチームは驚きを隠せない様子。

■豊田社長自らがレジェンドメイカーに!

ROOKIE Racing GR YARISのドライバーにはモリゾウ選手も
ROOKIE Racing GR YARISのドライバーにはモリゾウ選手も

このGRヤリスのドライバーにはモリゾウ選手こと豊田章男社長もCドライバーとして加わります。トヨタ自動車のマスタードライバーでもある豊田章男社長は予選でもAドライバーの井口卓人選手から3秒落ち程度、決勝でもほぼ同じペースで走るだけのポテンシャルをお持ちで、モリゾウ選手としてのCドライバーでの役割をきっちりとこなし、チーム全体のタイムにバラツキがないという強みを見せていました。

フィニッシュドライバーとしてモリゾウ選手が23時間30分ほどのところでGRヤリスに乗り込むころには、クラス2位に対して6周差をつけてトップを独走。

ROOKIE Racing GR YARIS
ROOKIE Racing GR YARIS優勝の瞬間

そして24時間後のチェッカーフラッグ。GRヤリスは市販型デビューの週末に初めての耐久レース参戦でデビューWINを飾ります。それもPOLE to WIN!という強さで。まさにモリゾウ選手自身がレジェンドメイカーとなった瞬間です。

ROOKIE Racing GR YARIS
パルクフェルメへ向かうROOKIE Racing GR YARIS

ピットロードを逆走し様々な参戦チームの祝福を受けながらパルクフェルメへ向かうROOKIE Racing GR YARIS。やはり注目車種であるがゆえ歓声がひと際大きいという印象です。

ROOKIE Racing GR YARIS優勝の表彰台
ROOKIE Racing GR YARIS優勝の表彰台

初めてのことと言えば、スーパー耐久シリーズ2019にスポット参戦と言いながら5戦も参戦しているモリゾウ選手の初表彰台が24時間レース優勝というのも伝説的な出来事と言えるでしょう。

ROOKIE Racing GR YARIS
ROOKIE Racing GR YARIS

市販型発売日にポールポジション、その週末の富士24時間レースでデビューWINを飾るという伝説を早くも作り上げてしまったGRヤリス。

4WDのRZがST-2クラスで優勝したということで来シーズンはこのクラスに複数台が参戦してくることが予想されますが、同じボディに1.5リッターNAでFFのRSグレードが一番排気量の少ないST-5クラスに参戦してくる可能性も否めません。来シーズンはGRヤリス旋風が巻き起こるかもしれません。

(写真・文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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