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■ロータリーエンジンを量産化した唯一の自動車メーカー
●自動化よりも運転することの大切さと楽しさを追求したクルマづくりを重視
マツダの2019年の販売台数は、世界第15位でした。自動運転技術が進む中、マツダは「人馬一体」に象徴されるように運転することの大切さと楽しさを重視したクルマづくりを行い、パワートレインは電動化よりも「SKYACTIV」技術のように内燃機関の進化を追求しています。
トヨタとの関係を業務提携から資本提携にステップアップする計画のマツダのこれまでの歩みについて、解説していきます。
●会社概要と業績
マツダの起源は、東洋コルク工業で今年2020年で創立100年を迎えました。
・会社名:マツダ株式会社
・代表取締役社長:丸本 明
・創立:1920年
・資本金(2019.3現在):2839億5700万円
・従業員数(2019.3現在):連結4万9998人、単独2万2354人
・販売台数:150万台(2019.1~2019.12)
●起源
マツダの起源は、1920年に設立された東洋コルク工業です。2代目社長の松田重次郎が、1927年に東洋工業に改称しました。それから50年以上経った1984年に、マツダと改称されました。
自動車の生産は、1931年の3輪トラックのマツダ号に始まり、1950年には4輪トラックを発売しました。乗用車への参入は、1960年発売の軽自動車R360クーペからです。
●メーカーとしての歩み
マツダと言えばロータリーエンジンが有名ですが、その他にも大量生産のためのシェルモード鋳造法をいち早く採用するなど、エンジンだけでなく生産技術に対しても独創的な技術に取り組んできました。
フォードとの関わりが古く、1970年に「日本自動変速機」を日産を含めた3社で設立したのが関係の始まりでした。1979年にフォードが東洋工業の24.5%の株を取得し、1996年には出資比率を33.4%まで引き上げ、社長をフォードから送り込みました。しかしフォードが経営不振に陥り、2015年までにすべての株を売却しました。
最近は、躍動的なスタイリングとSKYACTIV(環境・安全)技術の2つを両軸として、独創的なクルマづくりを続けています。
またトヨタとの関係を、従来の業務提携から資本提携にステップアップすることに合意しました。
●往年の代表的なモデル
1960年にマツダとして初めての乗用車となるR360クーペ、1962年には4ドアの軽自動車キャロルを発売。その後、1963年にはロングセラーヒットとなったファミリアが登場しました。
・1966年、高級車のルーチェを発売
・1967年、ロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツ、1973年には同じくロータリーエンジンを搭載したサバンナを発売
・1970年、ファミリアとルーチェの中間に位置するカペラを投入
1970年代後半からは主要車のモデルチェンジが続き、コスモはスポーツの名が取れ、サバンナには「RX-7」のサブネームが付きました。
・1980年発売の5代目ファミリアは、FF方式を採用してオシャレなスタイルが若者に受け、歴代ファミリアの中で最大のヒット
●最近の代表的モデル
・1989年にオープン2シーターのユーノスロードスターを投入、小型FRスポーツカーとして国内外で人気
・2000年代に入ると、ファミリアやカペラ、RX-7に代わる新世代車としてアクセラ、アテンザ、RX-8が登場
2011年に、高圧縮比のガソリンエンジンSKYACTIV-G、低圧縮比を実現したディーゼルエンジンSKYACTIV-DのSKYACTIV 技術を実用化。国内でハイブリッド車が人気の中、SKYACTIV-Dを適用したディーゼル乗用車を積極的に投入しました。
・2012年アテンザ、クロスオーバーSUVのCX-5、2014年デミオ、2015年クロスオーバーSUVにSKYACTIV-Dを搭載
・2019年には、マツダ3に革新的な燃焼方式のSPCCI(火花点火制御圧縮着火)を適用したSKYACTIV-Xを搭載
近年のマツダのエンジン技術の進化には、目を見張るものがあります。
2010年以降、SKYACTIVシリーズでパワートレインを一新して、内燃機関の進化のポテンシャルと必要性をアピールしています。特に、2019年実用化したSKYACTIV-Xエンジンは世界が注目しているエンジンです。
(Mr.ソラン)