より力強いフォルムを獲得。日本国内唯一のピックアップ「ハイラックス」がマイナーチェンジ【新車】

■アイドリングストップの追加で燃費を15%以上向上

約13年ぶりに日本での復活を果たしたトヨタ・ハイラックスが、2020年8月19日にマイナーチェンジを受けました。

タイのバンポー工場で生産されている日本仕様のハイラックスは、「IMV」と略される「Innovative International Multi-purpose Vehicle」というグローバルプロジェクトの一環で2004年に開発され、2017年に日本市場でカムバックを果たした国内唯一のピックアップトラック。はたらくクルマとして、あるいは根強いファンから支持されています。

トヨタ ハイラックス
トヨタ・ハイラックスがマイナーチェンジを受けてよりタフな印象に

今回のマイナーチェンジでは、エクステリアデザインにも手が入れられています。デザインコンセプト「Tough & Recreational」のもと、ピックアップトラックとしてのタフさや力強さをはじめ、乗ってワクワクする楽しさを表現するシルエットに仕立てたそう。

フロントマスクは、目をかなり惹く台形の大型グリルによって厚み感が演出され、グリルを支えるフロント構成で力強さを表現したとしています。

さらに、日本専用のバンパーガードガーニッシュがアクティブなイメージを強化。薄型化されたグリルからヘッドランプに軸を通すことにより、ワイド感も付与されています。「Bi-Beam LED」にすることで、より先進的な表情を生んでいます。

■インテリアもよりタフな印象に

トヨタ ハイラックス
マイナーチェンジを受けたトヨタ・ハイラックスのインパネ

一方のインテリアは、「X」グレードにもオプティトロンメーター+4.2インチTFTカラーマルチインフォーメーションディスプレイが設定され、視認性を向上。メーター自体もリングのメッキ化など加飾変更により、タフなイメージが演出されています。

トヨタ ハイラックス
ハイラックスのキャビン

ボディカラーは、新たにオフロードでも映えるというタフで上品な「オキサイドブロンズメタリック」、洗練されたイメージで質感の高さが自慢の「ダークブルーマイカ」の2色を含む全5色展開となっています。

トヨタ ハイラックス
新色の「オキサイドブロンズメタリック」
トヨタ ハイラックス
新色の「ダークブルーマイカ」

また、エンジンの改良やアイドリングストップ機能追加による燃費向上も盛り込まれています。

ディーゼルエンジンの改良をはじめアイドリングストップ機能の追加により、WLTCモード走行燃費は11.7km/Lとなっています。なお、JC08モードは11.8km/Lから13.6km/Lに向上し、従来型に対して15%以上の燃費向上を果たしています。

走りもリフレッシュ。サスペンションの変更やVFC(Variable flow control:パワーステアリングのオイル流量を制御する機能)機能追加により、操縦安定性と乗り心地の向上を両立しています。また、クリアランスソナーの追加による安全機能の充実なども盛り込まれています。

トヨタ ハイラックス
サスペンションの変更やVFCが追加され、「Z」グレードにはオートLSDを搭載

具体的には「Z」グレードに「プリクラッシュセーフティ」や「レーンディパーチャーアラート(ヨーアシスト機能付)」などの安全装備に加えて、新たに静止物の接近を表示とブザーで知らせる「クリアランスソナー&バックソナー」が標準で用意されています。

「Z」グレードにはオートLSD(Limited Slip Differential)が追加され、コーナリング時や悪路で左右駆動輪にトルクを適切に配分することによりトラクション性を高めて、車両コントロール性能をより引き上げたとしています。

搭載されるエンジンは、2.4Lの直列4気筒ディーゼルで、トランスミッションは6ATのみ。駆動方式は4WD(パートタイム4WD)です。価格は「X」が347万1000円、「Z」が387万6000円です。

なお、ボディサイズは全長5340×全幅1855×全高1800mm、最小回転半径は6.4mなので、取り回しや駐車には当然ながらそれなりの覚悟が必要になります。それでも日本メーカー唯一の正規販売モデルであるピックアップに憧れている方は多いのではないでしょうか。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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