●HONDAワンツーで上位独占のはずが…
スーパーGT第2戦「たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE」が夏空の空の下、静岡県は富士スピードウェイにて開催されました。3連休初日となる8日土曜日には予選が行われ、9日にはウォームアップ走行、そして決勝レースが行われました。
開幕戦に続き無観客での開催となった今大会、通常の大会では地元警察車両先導によって行われるパレードラップは行われず、フォーメーションラップからのローリングスタートで300km、66周の決勝の火蓋が切られました。
GT500クラスではフロントローからスタートした2台のNSX-GT、#8 ARTA NSX-GT福住仁嶺選手と#17 KEIHIN NSX-GTベルトラン・バゲット選手が序盤から後続をどんどん引き離し、14周目には3番手に浮上していた#12 カルソニック IMPUL GT-Rに10秒以上のギャップを築きます。そして迎えた15周目、TGRコーナーで仕掛けていったバゲット選手がコカコーラコーナーで福住選手をオーバーテイクしトップを奪います。
その後方では、6番手スタートから順位を上げてきた#36 au TOM’S GR Supraサッシャ・フェネストラズ選手が12号車平峰一貴選手とバトルを展開。昨シーズンGT300でチームメイトだった2人のGT500での初対決は、24周目のTGRコーナー立ち上がりでフェネストラズ選手が平峰選手をオーバーテイクし勝負あり! 36号車が3位に浮上します。
レースディスタンスも1/3を過ぎピットウィンドウが開いた25周目、ペースのなかなか上がらない#38 ZENT GR Supraを皮切りに、各車がドライバー交代を含む給油やタイヤ交換のためのルーティンピットに入ります。
31周目にはトップを走る17号車、3位の36号車そして4位の12号車が同時にピットイン、12号車佐々木大樹選手はアウトラップから果敢に目前の36号車関口雄飛選手に仕掛けていきます。
ピットインのタイミングを引き伸ばしプッシュを続けていた8号車福住選手は、レース後半に入った36周目にピットイン。素早くピット作業を終え17号車の前でコースに復帰します。ところがアウトラップでペースの上がらない8号車野尻智紀選手に17号車塚越広大選手がダンロップコーナーで急接近、コーナー立ち上がりで野尻選手が痛恨のスピンを喫してしまい、8号車は14位でレースを終えます。
このスピンでセーフティカー導入か?と17号車にとってはヒヤッとする瞬間でもありましたが、そのままレースは続行。その後は危なげない走りで最後は後続に15秒の差をつけた塚越選手がトップチェッカーを受け、FRレイアウトとして新開発されたNSX-GTの参戦2戦目にして、そしてチームとしては2018年の開幕戦以来となる優勝を掴みました!
2位には36号車関口選手、そして3位には8位から着実に順位を上げてきた#14 WAKO’S 4CR GR Supraが入り、2位3位は開幕戦と全く同じ顔ぶれとなりました。またこの第2戦でも、ドライブシャフトのトラブルで戦線離脱した19号車を除く5台のGRスープラが7位以内に入り、決勝では安定して速いスープラということを改めて感じた決勝レースとなりました。
復調の兆しを見せたNISSAN勢は、ミシュランタイヤ装着の#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが最上位となる8位、#23 MOTUL AUTECH GT-Rが9位、ブリヂストンタイヤ装着の12号車は11位と入賞を逃しました。
次戦は8月22〜23日、その舞台を鈴鹿サーキットに移して開催される予定です。世界屈指のドライバーズサーキットと呼ばれる鈴鹿でのGT500クラスの戦いが今から楽しみです!
(写真:吉見幸夫、松永和浩 文:H@ty)
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