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■MT-03のオリジナリティを色濃く残す2018年型
2020年型で大幅なアップデートを受けたヤマハ MT-03。最新のMT-03はシャープなヘッドライトが特徴的なフェイスや倒立サスを与えられ、ABSも標準装備となりました。今回ご紹介するのは従来型の2018年型MT-03、ヤマハバイクレンタルでお借りしたレンタルマシンです。
■肉食獣の脚をもつスタイリッシュなシティ・ボーイ
MT-03の発売は2015年10月のこと。フルカウルのYZF-R3をプラットフォームとし、「大都会のチーター」をコンセプトに開発された320ccのネイキッド・マシンです。日本では400ccに比べてなんとなく中途半端な感じがする320ccという排気量は、パワーを基準にしたヨーロッパの免許区分、A2ライセンス(最高出力35KW以下)に適合させるためのもの。
400ccに比べるとちょっと軽やかな320ccエンジンが搭載されたことにより、結果的に独特の乗り味が生まれ、それがこのマシンの際立った個性となりました。ちなみに2000年代にヨーロッパで販売されていたヤマハのマシンにも同じ名前のMT-03がありますが、そちらはたまたま名前が同じだけで中身はまったくの別モノ。660ccの単気筒バイクでした。
■ネイキッドならではの軽快な走り
もともと走りの良さで名高いYZF-R3をベースに作られたマシンなので、俊足ぶりはすぐに想像がつくことでしょう。MT-03はYZF-R3のカウルをなくして身軽になっただけではなく、さまざまな変更によって乗りやすさをぐっと向上させています。
たとえばバーハンドルは少し幅広になり、いちだんと操作性を高めています。ハンドルのポジションもYZF-R3に比べて約19mm手前に、約39mm高くなり、市街地やツーリングでの使い勝手がよくなりました。
走りも使い勝手もいいMT-03ですが、やっぱりなんといっても都会的でスタイリッシュなデザインが、その魅力の核心。乗って楽しく速いだけでなく、おしゃれでかっこいいマシンとして、MT-03は幅広い層のライダーから迎えられ続けているのです。
■大型トップケースなど、オプション品も充実
ところで走行中の写真をみればわかるように、このMT-03のリアキャリアには、大きなオプション装備が取り付けられています。ヤマハモーター・ヨーロッパが企画したワイズギアのユーロトップケースです。
大容量で堅牢、そしてキャリアから取り外せばハンドルを使って簡単に持ち運びができる利便性が特長。持ち物が多くなりがちなツーリングでも、こんなケースがあれば、荷物をぽんとケースに放り込んだまま身軽に動けるのが嬉しいですね。ただしこの便利なトップケースは別売り(税込み2万5300円)で、もともとMT-03に付いている装備ではないので悪しからず。
【ヤマハ MT-03主要諸元】
全長×全幅×全高:2090mm×755mm×1070mm
シート高:780mm
エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒
総排気量:320cc
最高出力/最大トルク:42ps/3.0kgm
燃料タンク容量:14.0L
タイヤ(前・後):110/70-17・140/70-17
ブレーキ:前後油圧式シングルディスクブレーキ
メーカー希望小売価格:65万4500円(税込)
(文:村上菜つみ 写真:高橋克也)
【関連リンク】
MT-03 Official Site
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/mt-25/
村上菜つみさんがヤマハ・MT-03で出かけたツーリング記事は、月刊誌「モトチャンプ」2020年9月号(8月6日発売)に掲載されています。