ダイハツ タフトは快適性の高い前席とファミリーでも使える広い後席を確保【DAIHATSU TAFT試乗記】

■前席の高い快適性が光るが、後席にも十分な余裕が残る

SUVテイストが与えられたダイハツ・タフト。カタログを眺めていると、2人でアウトドアやレジャーなどを楽しんでいるイメージ、多くの荷物を荷室に積み込む写真などが目を惹きます。

タフトの後席は、スライドもリクライニングもせず、左右分割式の前倒しのみになります。多彩なユーティリティを特徴とするはずなのにどうして? という疑問も浮かびます。

ダイハツ タフト
ダイハツ・タフトのエクステリア

それは、タフトのメインターゲットが独身の方はもちろん、カップルやディンクス、ポストファミリーと言われる層だからなのでしょう。

ファミリー層を狙うタント、家族4人でデイキャンプなども可能とする積載性が自慢のウェイクとは差別化が図られています。

ダイハツ タフト
タフトのインパネ

●後席の広さ、座り心地は?

それでも後席は十分に広く、身長171cmの筆者がドライビングポジションを決めた後ろの席には、膝前に拳(こぶし)が2つ強、頭上には拳1つと手の平1枚程度の余裕が残ります。大人4人が乗っても十分に広く、小さな子どもがいる家族にも十分に対応するパッケージになっています。

つまり子育てファミリー層がスタイリングに惚れて買っても使い勝手の面で不便は感じないはず。両側スライドドアが欲しければタントやウェイクが控えています。

ダイハツ タフト
タフトのリヤシート

後席は前席よりも座面が低い位置にあるように感じ、さらに床面も低くなっています。座面は低く感じられるものの、フロアも相対的に低くなっているため、ヒール段差が不足気味とまでは至っていません。

前席座面下に足が入るため、足が伸ばせるなど、十分に目配りされている印象。このように、後席は十分に広いスペースが確保され、背もたれの天地高が少し短めではあるものの、大人でも実用になるシート、スペースになっています。

ダイハツ タフト
前席頭上をカバーする「スカイルーフトップ」。大きなフロントスクリーンもあって前席の開放感は抜群

特徴的な装備の1つである「スカイルーフトップ」はスーパーUV&IRカット機能とシェード付。同装備は、前席に座ると高い開放感が得られる一方で、後席頭上まではカバーされていませんので、タフトは「前席ファースト」の設計であることがうかがえます。

ダイハツ タフト
タフトのフロントシート。アームレストが備わる

この前席シートはサイズが軽自動車としては大きめで、ホールド性もまずまず確保され、アームレストや運転席シートリフター(もちろん、スライド/リクライニングが可能)も備わります。また「X」をのぞき、前席両側にシートヒーターも完備。

ダイハツ タフト
前席両側にシートヒーターを装備する

運転席まわりは、ステアリングの位置調整がチルトのみでテレスコピック機構が備わらないのは惜しい点ではありますが、電動パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能が全車に備わり、楽に(力要らず)パーキングブレーキの作動、解除ができます。

(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)

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この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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