メルセデスAMG GTが一部改良。54PS/40Nmものパワー・トルクアップを実現【新車】

■特別仕様車の「メルセデスAMG GT Night Edition」も40台限定で用意

2020年8月5日、「メルセデスAMG GT」が一部改良を受けると同時に特別仕様車の「メルセデスAMG GT Night Edition」が設定されました。同日から予約注文を受付、デリバリーは2021年第一四半期から順次行われる予定です。

メルセデスAMG GT
一部改良でパワーアップが図られたメルセデスAMG GT

スポーツモデルであるメルセデスAMG GTはメルセデスAMG社が手がけるスポーツカーで、「Handcrafted by Racers.」をスローガンに掲げ、輝かしい歴史を誇るメルセデスのモータースポーツのイメージを牽引する役割も担っています。

メルセデスAMG GT
530PS/670Nmを誇るAMG製の4.0L V8直噴ツインターボエンジン

今回の一部改良では「GT」「GTロードスター」のAMG 4.0L V8直噴ツインターボエンジン「M178」の最高出力が、+40kW (+54PS)となる 390kW (530PS)まで引き上げられ、さらに最大トルクも40Nm増となる670Nmまで大幅に増強されています。

従来より公道には、そのパワーを最大限解き放つシーンはまずありませんでしたが、大幅なパワーアップが図られたことになります。

■ブラックでコーディネイトされた「メルセデスAMG GT Night Edition」

動力性能の向上に伴い、制動力も強化されています。フロントブレーキに強大な制動力と耐フェード性に優れるベンチレーテッド式ドリルドディスク(ディスク径は390mm)を備える強化コンポジットブレーキシステムが備えられています。

これにより、ハイパフォーマンスに対応する強大な制動力と耐フェード性、ペダル操作に対する優れた応答性が得られようになりました。

メルセデスAMG GT
ベンチレーテッド式ドリルドディスクを採用

さらに足まわりには、電子制御ダンピングシステムが採用された「AMG RIDE CONTROLスポーツ サスペンション」が標準化されています。「C(Comfort)」「S(Sport)」「S+(Sport Plus)」の3つのサスペンションモードが用意され、走りや好みなどに応じて減衰特性の調整が可能。

メルセデスAMG GT
電子制御ダンパーとダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用

また、モータースポーツの技術が直接フィードバックされたという、ダブルウィッシュボーン式サスペンションを用意。ホイール支持とサスペンション機能を分離して、スプリングストラットとダンパーストラットを下側のラテラルリンクで支えることで、上下動を最小限に抑制。同時に、正確なハンドリングを得られるそう。

ウィッシュボーンとステアリングナックル、前後ハブキャリアを鍛造アルミニウム製とすることにより、ばね下重量を軽減しながら非常に高い剛性を確保したとしています。

メルセデスAMG GT
メルセデスAMG GTロードスターのリヤビュー

電子制御式のリミテッド・スリップ・デフ(LSD)の標準装備化もトピックス。電制LSDは、リヤアクスルのコンパクトなトランスミッションハウジングに内蔵され、高速かつ、きめ細かい制御が可能で、走りの物理的な限界を新たなレベルへと引き上げるそう。

駆動輪のグリップがさらに改善するほか、限界におけるコーナリング速度を向上。加速時とアクセルオフ時に可変的にロッキング効果を発揮するほか、さまざまな走行状況や路面の摩擦係数に対応するそうです。とくに、サーキット走行で威力が感じられるでしょう。

メルセデスAMG GT
メルセデスAMG GTのインテリア

そのほか、「レーダーセーフティパッケージ」も標準化されています。

最適な車間距離を自動で維持すると共に、先行車が停止した場合は減速して停止する「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」、ドアミラーの死角範囲をレーダーによってモニターして危険性を警告する「ブラインドスポットアシスト」、車線逸脱をステアリングの微振動で警告する「レーンキーピングアシスト」、危険を察知した際に安全装備の効果を最大限に高める「PRE-SAFE(プレ・セーフ)」などを全車に搭載。

また、ボディカラーに「ブシディアンブラック」と「ハイテックシルバー」が追加されています(イリジウムシルバー、イリジウムシルバーマグノ、マグネタイトブラック、AMGソーラービームは廃止されています)。

メルセデスAMG GT
特別仕様車の「メルセデスAMG GT Night Edition」

先述した特別仕様車の「メルセデスAMG GT Night Edition」は、「GT」「GTロードスター」がベース。内・外装がブラック基調で統一され 、特別デザインのカーボンファイバールーフ(クーペのみ)や特別マットブラックペイントの19インチ、20インチの「AMG Yスポークアルミホイール」などの専用装備が用意され、特別な1台に仕立てられています。また、センターコンソールには「NIGHT EDITION」の専用バッジを装着。

メルセデスAMG GT
特別仕様車の「メルセデスAMG GT Night Edition」の専用ホイール

ボディカラーは、クーペには「オブシディアンブラック」と「グラファイトグレーマグノ」、ロードスターには「グラファイトグレーマグノ」が用意されています。販売台数は、全国限定40台で、クーペ合計35台、ロードスター5台。

メルセデスAMG GT
特別仕様車の「メルセデスAMG GT Night Edition」のコクピット

価格はクーペの「メルセデスAMG GT」が1777万円。「メルセデスAMG GT C」が2243万円。「メルセデスAMG GT R」が2453万円。ロードスターの「メルセデスAMG GTロードスター」が1927万円、メルセデスAMG GT C ロードスターが2352万円です。特別仕様車の「メルセデスAMG GT Night Edition」は、クーペが1999万円。ロードスターが2153万円です。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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