■SUVテイストを加味したハイト系ワゴン・TAFT
ダイハツから発売された新型軽自動車タフト。これは全高1.6mクラスのハイト系と呼ばれるワゴン・フォーマットに、SUVテイストあふれる内外装を与えたもの。
全長は3395mm・全幅は1475mmで、全高は1630mmとなっています。これはFF、4WDともに共通の数値です。
外観での特徴は前後のフェンダーをぐるりと大きく囲う樹脂パーツや、各部に凹凸をあえて設けた直線基調のデザインです。また最低地上高は190mmと余裕を持ったもの。これらによって全体でタフなイメージを形作っています。
またルーフ部分にはスカイフィールトップと呼ばれる大型のガラスルーフを全車標準装備しました。
インテリアも外観同様にアウトドアをイメージさせるような、ゴツゴツとした造形が魅力です。パーキングブレーキが電動式になったことも見逃せません。
前後席ともにカモフラージュパターンを採用したたっぷりしたサイズのシートにも注目です。
リアシートにスライドやリクライニング機構はありませんが、圧倒的と呼べるほどの足元空間や、余裕のヘッドルームにより大人が十分にくつろげる広さを持っています。
ラゲッジルームには樹脂製のボード&後席背面プロテクターが備わっています。このため水濡れや泥汚れが発生したとしてもさっと拭き掃除が可能です。
衝突回避支援ブレーキ機能も当然ながら標準装備しています。タフトでは夜間の歩行者にも対応していることが嬉しいポイントです。またグレードによってはアダプティブクルーズコントロールも設定されています。
実際に試乗してみます。
チェックしたのは3気筒ターボエンジンを搭載したモデルです。出力は64ps/6400rpmで、トルクは10.2kg・m/3600rpmとなります。
低速から十分なトルクがありますのであまり踏み込まなくても余裕の加速をしてくれます。またターボモデルであっても燃費はWLTCで20.2km/Lと好成績です(NAモデルは20.5km/L)。
これには新世代エンジンに採用されたツインインジェクターの効果も大きいと思われます。遮音も良くされており不快な振動等もありません。
車体にはダイハツがDNGAと呼ぶ新型のプラットフォームを採用しています。これは軽量でありながら高剛性のボディを実現するもの。
従来はフロント・センター・リヤで別々に構成材を作成してそれを結合していましたが、これらを可能な限り一本化することによって効率よく強靭なボディを作り上げているのです。上下曲げ剛性は従来のプラットフォームに対して30%アップしています。
このようなボディであるおかげで細かな振れが起きることもなく、常に車体が安定。これは直進でもコーナリングでも実感できます。
ガラスルーフによる開放感あふれる前席で、がっちりボディを体感しながら運転していると、心に大きな余裕が出てきます。
ああ、これで海沿いの道や森の中を走ったらどんなに楽しいだろうか……そんな想像をかき立ててくれる、大変完成度の高いクルマでした。
(写真・動画・文/ウナ丼)