先代から40PS・40Nm増強された、新型ポルシェ911ターボ/911ターボカブリオレの予約受注を開始【新車】

■新型911ターボは2443万円、911ターボカブリオレは2731万円

ポルシェ911の中でも別格といえる存在である911ターボ。ポルシェは911ターボについて、45年間ベンチマークであり続けていると表現しています。

ポルシェジャパンは、911ターボSに続いて新世代の911ターボ、911ターボカブリオレの予約受注を2020年7月16日から開始しました。

ポルシェ911ターボ
新型ポルシェ911ターボの予約受注を開始

両モデルともに、先代を30kW(40PS)上回る427kW(580PS)を発生する3745ccの水平対向6気筒エンジンを搭載。0-100km/h加速は3秒の大台を切る2.8秒(先代モデルより0.2秒短縮)を達成します。

オーバーブースト時に制限がない750Nm(40Nm増)の最大トルクは、より自然で余裕がある全開加速をもたらすといい、この新型911ターボの加速・出力・トルクは、先代の911ターボSに匹敵。組み合わされるトランスミッションは911ターボ専用設定の8速PDKで、最高速度は320km/hに達します。

また、オプションとして「スポーツパッケージ」「ライトウェイトデザインパッケージ」、スポーツサスペンション、スポーツエグゾーストシステムなどが911ターボに初めて設定され、自分好みの仕様に仕立てることができます。

先述した3745ccの水平対向6気筒エンジンには、電子制御バイパスバルブ付のシンメトリカルVTGターボが搭載されます。これは最適化されたインタークーラーシステムとピエゾインジェクターの採用と合わせて、応答性、パフォーマンス、トルク特性、および吹け上がりを向上させるものです。

ポルシェ911ターボ
ポルシェ911ターボの走り

また、シャーシとボディはさらにワイドになっています。フロントアクスルは、42mm拡大されたフロントトレッドと新しい255/35R20タイヤにより、さらに正確に操舵できるようになります。

4輪をアクティブ制御するPTMが、フロントホイールによって多くのパワーを伝達できるようになる一方で、10mm拡大されたリヤトレッドと、フロントよりも1インチ大きい315/30R21タイヤによって、アクティブ操舵されるリヤアクスルのトラクションが増大。

ポルシェ911ターボ
ポルシェ911ターボのサイドビュー

改良されたブレーキは以前よりもさらにパワフルになり、標準装備されるレッドの固定式キャリパーも目を惹きます。フロントのねずみ鋳鉄製ブレーキディスクは、直径が先代よりも28mm増となる408mm、厚さが2mm増の36mmに強化。リヤアクスルには厚さ30mm、直径380mmのブレーキディスクが用意されています。

ポルシェ911ターボ
ポルシェ911ターボの走り

リヤセクションでは、スポーツエグゾーストシステムが911ターボに初めてオプション設定されるのがトピックス。2種類のシャーシバリエーションも新たに設定されます。標準の「PASMシャシー」は、スポーツ性重視、あるいは快適性重視など幅広く対応。

より硬くなり、車高が10mm低くなる電子制御の「PASMスポーツサスペンション」は、俊敏性とダイナミクス性能を引き上げ、サーキット走行時などの高速走行において、より高い安定性を発揮。オプションになるPDCC油圧アクティブ制御ロール抑制システム、フロントの10ピストン固定キャリパー付き「PCCBセラミックブレーキシステム」は、走りをさらに洗練させます。

エクステリアデザインも新しくなり、新しいシャーシを収めるため、フロントホイールでの車幅は45mm拡大。また、新しいデザインになったボンネットのプレスラインがスポーティさを強調しています。また、ヘッドライトは、標準装備の「PDLS Plus」付LEDになっています。一方のリヤアクスルでのボディの幅は、1900mm(20mm増)で、ワイド感を強調。

ポルシェ911ターボ
ポルシェ911ターボのインパネ

そのほかの装備は、電子制御の冷却用エアフラップ、大型化されたアクティブフロントスポイラー、そして大型化された可変リヤスポイラーを備える強化されたアダプティブエアロダイナミクス。911ターボの大きな特徴であるリヤサイドパネルのエアインテークが空気を取り込み、インタークーラーは、エンジンフード下のエアフローの中に直接配置されています。

リヤビューの見どころは、LEDテールライトを備える連続的なライトバー、シルバーのトリムストリップ付の新しいエンジンフードルーバーグリルで、新しさとダイナミックさを表現。

ポルシェ911ターボ
ポルシェ911ターボのインテリア

主要なオプションでは、先述したように「ライトウェイトデザインパッケージ」と「スポーツパッケージ」がトピックス。クーペ用の「ライトウェイトデザインパッケージ」は、車両重量を30kgダイエットさせることが可能で、軽量フルバケットシートの採用をはじめ、後席の廃止や遮音材の削減が盛り込まれています。遮音材が少なくなることで、軽量化による走りへの影響だけでなく、エンジンサウンドをよりダイレクトに楽しめます。

「スポーツパッケージ」は、911ターボの「スポーツデザインパッケージ」に加え、ブラックとカーボンの追加装備、エクスクルーシブデザインテールライトが用意されます。

モダンな仕立てになるインテリアは、「ポルシェ アドバンストコックピット」とダイレクトタッチコントロールを装備した911カレラのインテリアに相当。PCMのセンタースクリーンは、10.9インチを用意。ほかにも、14ウェイ電動スポーツシートをはじめ、「スポーツクロノパッケージ」、シフトパドル、マルチファンクション/モードスイッチ付GTスポーツステアリングホイール、BOSEサラウンドサウンドシステムなどが設定されています。

さらに、アダプティブクルーズコントロール、レーンキープアシスト、ナイトビジョンアシスト、Burmesterハイエンドサラウンドサウンドシステムなどもオプション設定されます。

また、日本仕様の911ターボ、911ターボカブリオレには、サラウンドビュー付パークアシスト、コンフォートアクセス、電動格納ドアミラー、ヒートシーター(フロント)など他の市場ではオプションになる多くの装備が標準化されています。

新型911ターボの価格は、2443万円、新型911ターボカブリオレの価格は、2731万円です。なお、両モデル共に右ハンドルのみになります。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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