■GM、中国のCATLなどとEV戦略で手を組むホンダ
2020年7月10日、ホンダは中国のCATL(寧德時代新能源科技)と新エネルギー⾞⽤バッテリーに関する包括的戦略アライアンス契約を締結したと発表しました。
ホンダは、GM製の「アルティウム」バッテリーを搭載しホンダ向け次世代EVの共同開発にも合意しています。こうした動きは、リチウムイオンバッテリーなど、次世代車載電池の安定的な調達の一環といえそうです。
ホンダとCATLは、両社技術を持ち寄った新エネルギー⾞⽤バッテリーの共同開発、将来基礎技術の共同研究を推進していくとしています。
具体的には、CATLがホンダ向けにEV(バッテリーEV)を中心とした新エネ⾞向けバッテリーの安定供給を果たし、2022年を目途に中国生産車両に供給予定としています。
対象となるのは中国生産モデルだけでなく、将来的には他市場での展開も視野に入れて検討しているとしています。さらに両社は、将来を⾒据えたバッテリーリサイクル、リユースに向けた枠組みの構築でも今後協議を開始していくとしています。
2011年に操業したCATLは、中国のバックアップもありEVのリチウムイオンバッテリーにおいて、韓国のLG化学、パナソニックなどと共にトップ3を占めるまでに急成長。両社は、技術協⼒に加えて、競争⼒の⾼いバッテリー供給体制を強化することで、グローバルでの電動化目標達成を目指すとしています。ホンダは、2030年に四輪車の2/3を電動化する戦略を掲げていて、安定した調達は同戦略に欠かせないはず。
一方のCATLは、トヨタや日産、フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツ(ダイムラー)、BMW、テスラ、ジャガーランドローバーなどの世界中の自動車メーカーに供給していて、LG化学、パナソニックなどのシェア争いを優位に進める狙いがありそうです。
(塚田勝弘)