■コバルトのトレーサビリティ(追跡可能性)を100%可能にするブロックチェーン技術
ボルボは、ベンチャーキャピタル投資部門を通じて、ブロックチェーン技術企業のCirculor(サーキュラー)社に投資したと発表しました。
ボルボとサーキュラーは近年、EVのバッテリーに使われるコバルトのトレーサビリティ(追跡可能性)を高めるためのブロックチェーン技術で協力してきたそうです。
Circulorのブロックチェーン技術は現在、ボルボのバッテリーサプライチェーン全体で採用されていて、ボルボ初の100%電気自動車である「XC40 Recharge P8」に使用されるコバルトのトレーサビリティ(追跡可能性)を100%可能にするそう。同モデルは、今年の後半からベルギーのゲント工場で生産開始される予定とされています。
ボルボがサーキュラーに投資することで、両社はコバルト以外にも対象を拡大し、トレーサビリティ(追跡可能性)の向上が可能になるとしています。珪酸塩鉱物のグループである雲母などがその一例で、EVのバッテリーパックの絶縁材料として使用されています。
両車は、CO2排出量のトラッキング(継続的な追跡)や削減など、ブロックチェーンの技術協力を他分野にも拡大する可能性について調査しているそうで、サーキュラーによる自動車産業や、そのほか産業における倫理的な調達基準の設定に活用されるとしています。
ボルボは、サプライチェーン全体でブロックチェーン技術を適用することでバッテリーに使用されるコバルトのグローバルなトレーサビリティ(追跡可能性)を実現した最初の自動車メーカーになるそう。サーキュラーが開発した技術は、ボルボのバッテリー供給パートナーである、CATLとLG化学とのパートナーシップによってすでに導入。
CATLとLG 化学は、技術的なリーダーシップ、責任あるサプライチェーン、CO2排出量の削減、価格競争力といった点において、ボルボの厳しい調達ガイドラインを満たしているとしています。ボルボ、CATL、LG化学における3社間契約では、「XC40 Recharge P8」を含むボルボとPolestar(ポールスター)の次世代モデルに今後10年に渡り、バッテリーを供給することが約束されているそうです。
電動化が進む中、安定したレアメタル、レアアースの調達は自動車メーカーのみならず、各国が国をあげて注力していて、ボルボのようにブロックチェーンを活用した手法が広がるのでしょうか。
(塚田勝弘)