■日産が新型EV「アリア」の市販モデル公開を予告
米国日産が、4WD仕様のクロスオーバーEV「アリア(ARIYA)」の市販モデルを本年7月に初公開すると公式サイトで発表しました。日産では年内に2車種のEV公開を予定しており、「アリア」はその第1弾となります。
同社によると、「アリア」を今後の日産を象徴するようなクルマとして位置付けているそうで、クリーンでパワフルなパワートレインが載っていることを示唆するエクステリアデザインを採用。EVならではのパワフルでスムースな性能が感じられるクルマを目標に開発したそうです。
公開された市販車のティザー画像には、コンセプトモデルと同様に薄型の多灯式LEDヘッドランプや、V字型に点灯するDRL(デイタイムランニングランプ)の装備が見て取れます。
エンジンに冷却風を取り入れる必要が無いことから、ラジエータグリルに代わる「シールド」を設定するなど、エクステリア全般に渡って新しいデザイン要素が散りばめられており、市販モデルにおいてもコンセプトモデル(全長:4,600mm、全幅:1,920mm、全高:1,630mm)のイメージを色濃く受け継いでいると予想されます。
一方、コンセプトモデルではインパネの操作系が必要最小限で、12.3インチサイズのディスプレイにより様々な設定が可能となっていますが、市販モデルにどのように反映されているのかが注目されるところです。
■GT-R NISMOをも上回る高出力を発生
新世代のEVプラットフォームを採用しており、パワートレインは前後アクスルにモーターを搭載するツインモーター4WDシステムを採用。そのシステム出力はGT-R NISMOが発生する最大トルク(66.5kgm)をも上回る308ps/69.3kgmと強大。フル充電時の航続距離はWLTCモードで約480km、45分で約80%充電できる模様。
同車に初搭載されるツインモーター4WDシステム「e-4ORCE(イー・フォース)」は、前/後のモーター出力やステアリング、ブレーキなどを人の目の瞬きより3倍以上速い速度で統合制御することによって瞬時に滑らかな加速を実現し、スムーズで安定感の高い走りを提供。
減速時にはフロントモーターの回生ブレーキに加え、リヤモーターの回生ブレーキも併せて活用することで、車体が前のめりになることを抑制。
加速時や凹凸のある路面を通過する際にも、モーターを最適にコントロールすることで車体姿勢の変化を低減しており、発進・停止を繰り返すようなシーンにおいても、乗員が前後の揺れを感じることが少なくなり、快適なドライブを楽しめるそうです。
「e-4ORCE」の開発にあたっては「GT-R」のATTESA E-TS(電子制御トルクスプリット4輪駆動システム)や、「エクストレイル」のインテリジェント4×4システムなどで得た駆動力やブレーキ制御のノウハウを活かし、前後に加えて左右も独立して駆動力を制御。
旋回力や駆動力、限界を超えた際の対応能力なども高く、EVならではの静粛性と相まって異次元の走りを実現しているそうです。
また、最新版の高度運転支援技術「ProPILOT 2.0」では、シールドの裏側に搭載したレーダー、カメラ、ソナーなどの車載センサーから得た情報に加え、GPSや3D高精度地図データを利用。
高速道路上で前走車と適切な車間距離を保つようにアクセルとブレーキを制御したり、車線の中央を維持するようにハンドル操作をサポートするだけでなく、カーブでは曲率に合わせて減速、目的の高速道路出口に近づくと車線変更操作を支援します。
ちなみに、各種情報によると「アリア」の車両価格は450~500万円程度と予想されています。
世界初の量産型EV「日産リーフ」の発売から約10年。日産では今後、色々な車種に日産インテリジェントモビリティ(電動化・自動運転・コネクティビティ)の技術を取り入れて行くそうで、その筆頭となる「アリア」の市販モデル公開(7月15日)に期待が高まります。
(Avanti Yasunori・画像/動画:NISSAN)
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