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■キャンピングカーのシェアリングには2パターンある
新型コロナウイルス感染対策の県境越え自粛も解禁され、今年の夏はキャンプなどを楽しみたいアウトドア派も多いでしょう。
中には、あこがれの本格的なキャンピングカーで車中泊を楽しんでみたいけど、購入するには高価だったり駐車場が狭くて置けないといった方も多いはず。
そのような場合、従来からキャンピングカーのレンタルサービスを利用する方法はありますが、まだまだレア。一般のクルマのように近所にお店や拠点がない地域も多いでしょう。
そんな中、最近新たなサービスとして注目なのが、キャンピングカーのシェアリング。これは、一体どのようなものなのか? いくつかの例を紹介してみましょう。
●個人間で貸し借りするサービス
キャンピングカーのカーシェアには、個人間で貸し借りするパターンと、普通のカーシェアリングと同様に、駐車されている拠点で借り出し・返却をするパターンがあります。
まず、個人間で利用するケース。
たとえば、6月30日から開始される「バンシェア」は、キャンピングカーなどの車中泊が可能なクルマを持つオーナーと、それを借りたい人とをマッチングするプラットフォーム・サービスです。
普通のクルマの個人間シェアには同様のサービスがありますが、キャンピングカー専門というのは日本初だそうです。
運営する企業Carstayでは、車中泊が可能なスポットを予約できる「カーステイ」というサービスも行っており、このバンシェアと合わせた「バンライフ」というウェブサービスを展開しています。
このサービスでキャンピングカーを借りたい人は、事前に会員に登録した後、スマートフォンで好きな車両を検索して予約、所有者から直接カギとクルマを受け取る仕組み。
借り出しと返却の場所も所有者と直接相談して決められるため、近所にお店や拠点がなくても、自宅近所などに所有者がいれば遠方に行かなくてもOK。また、返却時間もお互いの了解があれば自由に決められるといったメリットがあります。
貸す側と借りる側がこういった事前の相談ができるように、このサービスではプラットフォーム上に予約前後に利用者同士が連絡を取れるチャット機能もあります。
また、シェアリング料金は、車両の購入価格や走行距離、整備代や自動車税などの年間維持費に保険料や契約料などによって決められるそうで、車両によって様々。
たとえば、ハイエースのキャンパー仕様が24時間で1万3500円とか、海外製の本格的キャンピングカーでも24時間1万7100円など、レンタルする場合よりも比較的安い傾向にあるようです。
こういったサービスには、キャンピングカーを持っていて貸す人にもメリットがあります。自分が乗らない時に他の人へシェアすることでシェアリング料が入り、キャンピングカーの維持費などに充てられるからです。
ちなみに「バンシェア」では、三井住友海上火災保険が新たに始めたカーシェア専用保険を、このサービス向けにカスタマイズした保険に入っています。
保険内容は、従来カーシェアでは対応していなかった車両の盗難・詐欺・横領損害、対人や対物、車内装備の破損なども補償するもの。これにより、貸す側も借りる側も、まさかの時でも安心して利用できます。
●拠点でシェアするサービス
キャンピングカーのカーシェアにも、普通のクルマのように、拠点に行って借り出し・返却を行うサービスもあります。
たとえば、関東を中心にFC店を展開をしているCAMPS LIFE(キャンプスライフ)のケース。こちらは、キャンピングカーを所有している人が同社のFC店に加盟し、利用者に貸し出すというシステムです。
予約はネットで24時間可能で、カギや車両の貸し出し・返却も24時間無人での対応なので、自分の好きな時間に利用できるというメリットがあります。
利用できる車両は、商用バンやミニバンをベースにキャンピングカー仕様にした本格的な車両が多く、料金も1日5000円〜2万円以下(車種で異なり、休日と平日で異なる場合あり)と比較的リーズナブル。また、自動車保険にも入っているため、まさかの時も安心です。
こういった拠点で借りるサービスは、ほかにもありますが、レンタルと同様にまだまだ数が少ないのが現状。ただ、アウトドアやキャンピングカーの人気は高いだけに、今後こういったサービスが増えてくることも期待できます。
(文:平塚直樹、写真:Carstay、CAMPS LIFE)
【関連リンク】
「バンライフ」公式ホームページ
https://carstay.jp/ja
「CAMPS LIFE」公式ホームページ
https://camps-life.com/