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■フェラーリだけがイタリア車じゃない!
●アルファロメオやフィアットも負けずに駆けつけた
ダムサンデー@草木の模様を続けてお伝えしましょう。スーパーカーの時に数多く紹介したイタリア車ですが、何もスーパーカーだけでなくアルファロメオやフィアットなども数多く立ち寄っていました。
今回も群馬県みどり市にある草木ダム湖畔のみかげ原展望地に立ち寄ったクルマたちから、そのほかのイタリア車をピックアップしてみました。
●熱いラテンの血が騒ぐアルファロメオたち
イタリアのスポーティカーといえばアルファロメオでしょう。この日は新しいモデルより1960年代から90年代の古いアルファが目立ちました。
まず紹介するのはジュリア系からです。ジュリアといっても現行モデルではなく、1962年にセダンのベルリーナから発売が開始された105系のことです。
105系は1962年のベルリーナに続き、1963年に2ドアのジュリア・スプリントGTが発売されます。このデザインはジョルジェット・ジウジアーロの代表作であり、端正かつ流麗なスタイルとなっています。エンジンは1.6リッター4気筒DOHCで、1965年には1.3リッターのGT1300ジュニアが追加されました。
立体的なフロントデザインから「段付き」と呼ばれているモデルです。
105系ジュリアはスポーティな性能・操縦性からレースにも起用されます。ワークスモデルではアルミボディが与えられたスプリントGTAが存在しました。こちらはGTAの特徴である網目状のグリル、バンパーレスとされてレーシングカーのイメージ満点です。
1967年に105系ジュリアは1750GTVに進化するのと同時に「段付き」と呼ばれたスタイルから平らなフロントスタイルに切り替わります。また併売されていた1300GTジュニアも1970年からは1750GTVと同じデザインに変更されます。
こちらは変更後の1300GTジュニアです。ただ、グリルごと1750GTVのものと入れ替え丸目2灯式だった1300GTジュニアからイメージを一新しています。
アルファといえばスパイダーは欠かせません。アルファロメオ・スパイダーは1966年に105系ジュリアをベースにオープン2シーターとして発売されました。基本的なデザインやコンポーネンツを変更することなく、実に27年間も造り続けられました。こちらは最終モデルのスパイダー・ヴェローチェです。
スパイダーは1993年に生産を終了しますが、1996年にFFのニューモデルGTVをベースにした新型として復活します。2リッター・ツインスパークエンジンとV6の2本建てでした。
●フィアットはヌオーバ・チンクエチェントが主流
アルファロメオに続いてはフィアットです。
この日はヌオーバ・チンクエチェント、2代目フィアット500が多かったように見受けられました。可愛らしいスタイルは今見ても新鮮ですし、世界中にファンが大勢いることも納得です。こちらはアバルトのエンブレムを装着して、大径アルミホイールを履かせた1台です。
続いては本物(?)のアバルト、アバルト595です。連結ワイパーやゴム製のフロントフードフックがアバルトらしいスタイルになっています。
さらにはアバルト595をよりコンペティティブにした695までお目にかかれました。
アバルトによってエンジンは689ccまで拡大され、見かけによらないハイパワーを発生します。空冷エンジンのためボンネットフードは開けたまま固定されているのが特徴です。
●アウトビアンキを覚えている?
小さなイタリア車はフィアットだけに限りません。代表的なのがアウトビアンキでしょう。
同社は1955年にフィアット傘下となって実験的なモデルを繰り出すブランドの一つでしたが、1992年にブランド自体が消滅してしまいます。ですので過去のモデルしかないわけで、覚えている人も少なくなりつつあります。
アウトビアンキとして日本でヒットしたのがA112でしょう。フロントに903cc4気筒エンジンを搭載する小型FF車で、初代は1969年に発売されます。フィアットの小型車と同じ方程式で、アウトビアンキA112にもアバルトがチューニングを施したモデルがありました。
それがこちらのA112アバルトです。排気量を1050ccまで拡大してノーマルの58psから70psへ大幅にパワーアップしていました。
A112は1985年に生産を終了して、後継モデルのY10にその座を譲ります。一部の地域ではランチアY10とブランド名を変えていましたが、日本ではアウトビアンキY10として発売されました。すでに絶滅的に台数を減らしたY10ですが、こちらはレアな4WDです。
アウトビアンキA112アバルトとシトロエンAXが並び、どちらもルーフに自転車を載せた姿でした。こうした姿が似合うのはラテンの小型車らしいところです。
(増田満)