■ル・マン初制覇から25周年で、50台限定の優勝記念仕様
このほどマクラーレン・オートモーティブは、特別仕様車の「720S ル・マン」を発表しました。同特別仕様車は、マクラーレンが「F1 GTR」でル・マン24時間レースを初制覇した際の記念モデルです。
この初優勝は、1995年の59号車で、元F1ドライバーのヤニック・ダルマスとJJ・レート、そして関谷正徳の3人がドライブしていたこともあり、日本のファンの心にも強く残っているはず。この年のル・マンは、3台のマクラーレン F1 GTRが5位以内に入っています。
このル・マン・エディションは、全世界で50台が生産されますが、ヨーロッパではわずか16台のみ販売されそるそう。
なぜ、初優勝から25年のタイミングで記念車が発売されるのか不思議ではありますが、スポーツカーにはその背景を語る物語が必要なのでしょう。どうせなら25周年を記念して限定25台というレアなモデルにする手もあったのでは? と思いますが。
●車体番号が298からスタートする理由
先述したように、「720S ル・マン」は、マクラーレン F1 GTR #59が世界的に有名な耐久レースで優勝してから25周年を記念して製作されました。「720S ル・マン」には、「McLaren 25th Anniversary Le Mans」のロゴをあしらった専用プレートが装着されています。
また、車体番号は298からスタート。これはレースで優勝したF1 GTRがライバルより1周多い周回数で完走したことにちなんでいるそう。
ボディカラーは「マクラーレンオレンジ」と「サルテグレー」の2色を設定。ボディサイド下側やリヤバンパー、フロントバンパーロアがグレーにペイントされるほか、塗装済みボディサイド下側に「McLaren 25 anniversary Le Mans」ロゴが配されています。
ほかにもグロスブラックのルーフスクープや、ポリカーボネート製リヤグレージング、カーボンファイバー製のレッドフロントフェンダーを用意。
足元は、マクラーレン F1 GTRの#59ホイールのデザインを踏襲したという、5本スポークのLMホイールが装着され、「ル・マン」のエッジが施されるほか、ゴールドカラーのブレーキキャリパーを用意。目を惹くルーフスクープは、空気を整流してパワートレインを冷却し熱を逃がすことで、サーキット走行時に高い冷却性能を発揮。
カーボンファイバー製ルーバー付きフロントフェンダーは、揚力を軽減し、車両重量の軽減にも貢献しています。
パワーユニットは、ミッドにマウントされる720PSの「M840T」型4.0Lエンジンで、ツインターボV8エンジンは、0-100km/h(時速0-62mph)を2.9秒でクリア。また、0-200km/h(時速0-124mph)は7.8秒、最高速度341km/h(時速212マイル)に達します。
カーボンファイバー製モノケージIIのストラクチャーとプロアクティブシャシーコントロールIIサスペンションシステムにより、720Sはクラス最軽量を誇り、ダイナミックな走りにも寄与。
また、カタログモデルのマクラーレン720Sと同様に、多様なオプションが設定されています。ディフューザー、エクステリアドアアッパー、リヤエアロブリッジ、ルーフスクープ、リヤデッキなどを、グロスフィニッシュのビジュアルカーボンファイバー製コンポーネントを指定することができます。
ほかにも、グロスフィニッシュのビジュアルカーボンファイバー製フードエアインテーク、ドアミラー、リヤフェンダーエアインテーク、フロントスプリッター、リヤバンパーロア、ルーフ&フロントエアインテークの3つのコンポーネントパックも設定されています。
さらにサーキット走行を見据えて、チタン製ハーネスバーとカスタマイズのMSO Definedシリーズの6ポイントハーネスを追加することも可能。
サテン仕上げのビジュアルカーボンファイバー製エアベント、エクステンデッドシフトパドル、マクラーレンのブランディングが施されたエクステンデッドシルトリムも同シリーズから選択可能で、サテン仕上げのビジュアルカーボンファイバー製インテリアコンポーネントの2つのオプションパックを指定することもできます。
マクラーレン720Sルマンは、英国では25万4500ポンド(約3358万7000円)〜で発売され、9月からのデリバリーの見通し。日本での詳細は明らかにされていません。
(塚田勝弘)