ディフェンダーの買収に失敗したイギリス大富豪が手がけるオフローダー開発車両をスクープ

■初代『ディフェンダー』から多くのデザインを取り入れ、ライバルはトヨタ「ハイラックス」

オーストラリアで謎のオフローダー開発車両をカメラが初めて捉えました。

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イネオス グレナディア 市販型プロトタイプ

一見、メルセデスAMG「G63」にみえますが、よく見ればグリルをはじめボンネットフード、フェンダー、バンパーなど多くの相違点がみられます。このプロトタイプの正体を当てた方は相当なマニアといえそうです。

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イネオス グレナディア 市販型プロトタイプ

その正体は、イネオス・オートモティブが開発している新型オフローダー「グレナディア」の市販型プロトタイプです。

イネオス社はイギリスの大富豪、ジム・ラトクリフ氏が創業した化学企業で、その個人資産は220億ポンド(約3兆円)とも伝えられています。

捉えたプロトタイプは、カモフラージュが厳重ながらフロントグリルのコーナーには円形のヘッドライト、その下には長方形のエアインテーク、傾斜下スキッドプレートなど、ランドローバーの初代「ディフェンダー」から多くのデザインを取り入れていることがわかります。サイドにはボディクラッディングが装着されていますが、4つのドアを持つことは明白です。

このグレナディアプロジェクトは、当初ランドローバーからディフェンダーの権利を購入しようと試みるも断られたため、ゼロから同様のモデルを開発したといいます。

同社では、スチール製ラダーフレームシャーシとサスペンションの開発のために、メルセデス「Gクラス」、トヨタ「スープラ」、BMW「Z4」と同様のオーストリアのマグナ・シュタイア社と協力しているそうです。

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イネオス グレナディア 市販型プロトタイプ

パワートレインや生産工場に関しては、これまでBMW製ということしかわかっていませんでしたが、このたび詳細を入手。エンジンはBMW製3.0リットル直列6気筒ガソリンとディーゼルエンジンを搭載、ウェールズのブリッジェンド工場で生産されることが判明しました。

2021年初頭からの市場投入を目指しており、派生モデルを含め年間2万5千台という大掛かりな生産を計画しています。

また同社によると、「ディフェンダーと同レベルの品質を持つ、妥協のないオフローダー」になるといい、ライバルはトヨタ「ハイラックス」などとなります。

(APOLLO)

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アポロニュースサービス代表取締役。1965年東京生まれ・世田谷区在住。通信社を経て1996年に独立、レンタルポジ&ニュース配信会社アポロニュースサービスを設立した後、2016年にはカーメディア「Spyder7」編集長に兼任、多数のメディアへ新車スパイショット配信も手掛けております。
通信社入社と同時に新車スクープに関わり、これまで35年間、新型モデル開発を追い続け、現在は新車スクープ原稿を年間800本以上執筆、日本で一番新車スクープ記事を書く男としてギネス申請中!?
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