新型レクサスISは徹底的なチューニングで走り磨き上げ、乗り心地も洗練

■コーナリングフォースを向上させた19インチ仕様

以前お伝えしたように、レクサスISがビッグマイナーチェンジを受け、世界初公開されました。今回のマイナーチェンジの狙いは、内外装のリフレッシュだけではありません。

新型レクサスIS
新型レクサスISは、ボンネットはアルミ、Bピラーなどにホットスタンピング工法が使われ、ドアやサイドメンバーなどの広範囲に高張力鋼板が使われている

小林直樹チーフエンジニアは「ドライバーとのコミュニケーションに優れ、それがどんな路面状況や走行状況でも破綻しない懐の深いクルマ」と明かしています。

走りを磨き上げる舞台となったのは、愛知県豊田市下山地区に新設された車両開発用のテストコース。同コースは、ニュルブルクリンクを走り込んだ知見が盛り込まれています。

新型レクサスIS
期待が高まる新型レクサスIS の走り

新型レクサスISの走りは走行試験の結果に基づき、ドライバーの入力に対する俊敏な応答性、ばね上の無用な動きの抑制など、路面状況や走行シーンに応じて徹底的なチューニングを施したとしています。

ステアリングやペダルの初期応答だけでなく、「戻す」際のコントロール性の向上もメニューに盛り込まれ、運転操作がよりスムーズになるとしています。

●乗り心地の向上が期待できる「スウィングバルブショックアブソーバー」

足まわりでは、新採用となる19インチタイヤのCF(コーナリングフォース:旋回時にタイヤの進行方向に対して垂直に働く力。前輪にスリップ角がつくことで発生する力)を大幅に向上させたそう。

加えてホイールの締結にハブボルトが採用され、締結力の強化と軽量化が図られ、気持ちの良いハンドリングとブレーキングを引き出せるとしています。

新型レクサスIS
新型レクサスISに採用された「スウィングバルブショックアブソーバー」

さらに、ショックアブソーバーのオイル流路に非着座式のバルブが設けられ、微小な動きに対しても流路抵抗による減衰力を発生させる「スウィングバルブショックアブソーバー」を採用。

こちらはレクサスESやマークX“GRMN”にも採用されているもので、KYBの技術。ダンパーのストローク速度が極めて低い場合でも減衰力を発揮することで、応答性に優れ、上質な乗り心地を提供するものです。

新型レクサス IS
2.5Lハイブリッド

パワートレーン関連では、直列4気筒2.5Lハイブリッド仕様のアクセル開度に対するエンジンとモーターの駆動力制御が変更されています。

新型レクサス IS
純ガソリンエンジン車は、2.0Lターボと3.0Lを設定

直列4気筒2.0Lターボ車では、アクセル開度などから走りを判定し、シーンに応じて適切なギヤ段を設定するアダプティブ制御を用意することで、ドライバーのアクセル操作や意図に対してリニアなレスポンスが得られるそう。そのほか、3.0LのV型6気筒エンジンも設定されます。

新型レクサス IS
ボディ剛性の強化によりハンドリングや乗り心地の向上などが期待される

ボディ剛性の強化も盛り込まれています。サイドラジエーターサポートの補強、フロントサイドメンバーのスポット打点追加、Cピラーからルーフサイドにかけての構造最適化などにより、ボディの剛性を高めています。

これにより、ステアリングの反応など運動性能も高め、さらにノイズや振動を徹底的に排除して乗り心地もさらに洗練させたそうですから楽しみです。

(塚田勝弘)

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この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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