■ブラックでコーディネイトされたディテールがGTSの証
3代目を数える現行カイエンは「家族全員で楽しめるスポーツカー」というコピーを掲げています。
日本では、より扱いやすいサイズのマカンの登場により、以前ほどのプレゼンスはないかもしれませんが、ポルシェSUVの最上級モデルにふさわしい走り・風格を備えています。
2020年6月12日、新型カイエンGTS、新型カイエンGTSクーペの予約受注が開始されました。「GTS」はスポーティグレードであり、装備の充実が特徴。
エクステリアは、標準化される「スポーツデザインパッケージ」をはじめ、ブラックのアクセントカラーが目を惹きます。
新型カイエンGTSモデルは、「サテングロスブラック」の21インチ「RSスパイダーデザインホイール」が標準装着されるほか、「ポルシェダイナミックライトシステム(PDLS)」が搭載され、LEDヘッドライト、LEDテールライトバーにダークカラーのティンテッド加工が施されています。
さらに、フロントのエアインテーク、サイドウインドウトリム、スポーツエグゾーストシステムのテールパイプ、リヤのロゴ、バッジがブラックでコーディネイトされています。
■3.6L V6から4.0L V8エンジンにアップサイジング
一方のインテリアは、ルーフライニング、シートのセンター、センターコンソール、ドアにアルカンターラ、ダークブラッシュド仕上げのアルミニウムといったマテリアルを使い、高級感を演出。
機能面では専用の8ウェイスポーツシートが注目で、ハードなコーナリング時に、高さのあるサイドボルスターがドライバーの身体をサポート。ほかにもフロントドアやドアシル、レブカウンター、ヘッドレストにGTSのロゴが配されています。
また、オプションでカーマインレッド、クレヨンのカラーもアクセントとして選択できるようになっています。
パワートレーンをチェックします。先代のカイエンGTSには、3.6L V6ツインターボエンジンが積まれていましたが、今のご時世では驚きのアップサイジングが敢行され、460PS/620Nmを発生するV8 4.0Lツインターボエンジンを搭載。
なお、「スポーツクロノパッケージ」を装備した新型カイエンGTSは、0-100km/h加速を4.5秒でクリアし、最高速度は270km/hに達します。
先代のV6から最高出力は20PS、最大トルクは20Nm増強しながら、高効率な8速ティプトロニックSとの組み合わせにより、NEDC複合サイクルの燃費は11.2〜11.4L/100kmと、全長4920×全幅1985×全高1695mm(カイエンSの数値)の大柄なボディとしては良好な燃費を実現。
足まわりも専用セッティングが施されています。標準のスチールスプリングサスペンションは車高を20mm低くすると共に、スポーティなダンパーコントロールを可能にするという「ポルシェアクティブサスペンションマネージメント(PASM)」を搭載。さらに、「ポルシェトルクベクトリングプラス(PTV Plus)」も標準装備されています。
また、標準装備の21インチの「RSスパイダーデザインホイール」、ねずみ鋳鉄製の大径ブレーキ(フロント390 x38mm、リヤ358x28mm)、さらにはレッドでカラーリングされたブレーキキャリパーにより、ポルシェらしい強力なストッピングパワーを発揮。あえて、タングステンカーバイドのコーティングが施されている「ポルシェサーフィスコーテッドブレーキ(PSCB)」に加えて、「ポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)」などをオプション設定。
ほかにも、車高を10mm下げる3チャンバーエアサスペンション、リヤアクスルステアリング、ロール抑制システムである「ポルシェダイナミックシャシーコントロールシステム(PDCC)」などもオプションで用意されています。
そのほか、他のカイエン・シリーズと同様、アダプティブクルーズコントロール、レーンチェンジアシスト、サラウンドビュー付パークアシストなどの先進安全装備、リヤバンパー下に足を差し出すことでテールゲートが自動で開くコンフォートアクセスなどを搭載。
価格は、カイエンGTSが1682万円、カイエンGTSクーペは1752万円。冒頭で紹介したように、「家族全員で楽しめるスポーツカー」を掲げるカイエンの中でもGTSは、よりホットな走りを堪能できる仕様になっているはずです。
(塚田勝弘)