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■モッズが愛したスクーター
イタリア製スクーターとして、ベスパと並び世界に名を馳せたランブレッタ。けれど、今ではその名を知る日本人は少数派といえるかもしれません。
それでも1950~1960年代にイギリスで流行した「モッズ」とよばれるライフスタイルを知っている人は少なくないでしょう。おしゃれな三つボタンスーツとミリタリーパーカーに身をつつみ、音楽をこよなく愛する若者たちが得意げに乗り回していたスクーターの車種のひとつがランブレッタです。
モッズスタイルを象徴する映画『さらば青春の光』(フランク・ロッダム監督/イギリス/1979年)でも、たくさんのライトやミラーでハデハデにカスタムされたスクーターたちが大活躍しました。
■2017年、幻の名車がついに復活!
ランブレッタが最初のスクーターを発表したのは1947年のこと。たちまち世界中で人気を博したものの、1970年代に起きたイタリア労働争議に巻き込まれ、工場は閉鎖されてしまいました。
それ以来、スクーター生産もストップしていましたが、2017年のミラノモーターサイクルショーで装いも新たに華々しく復活! ランブレッタはもっとも古いスクーターメーカーのひとつでありながら、もっとも新しいスクーターメーカーのひとつでもあるのです。
■ゆるぎない伝統の風格と革新のテクノロジー
ランブレッタ最大の特長は、ユニークな世界観を際立たせる優れたデザインにあります。
クラシカルなスクーターといえば、ちょっと甘めの女性的なルックスを思い浮かべる人が多いと思いますが、ランブレッタのマシンは全体的には丸みをおびながらもシャープな直線をうまく取り込んで、親しみやすさのなかにキリリとスポーティな走りを感じさせる仕上がり。
女性にも男性にも、分けへだてなく受け入れられるデザインです。
車体には、伝統的なスチール・モノコック・ボディを採用。いかにもがっちりと高級感のあるオールド・スタイルですが、じつはあちこちに最新の航空材料を盛り込み、しっかり軽量化をはかっています。
一見すると古めかしいデザインながら、灯下類にはLEDを採用。LCDダッシュボードやUSBチャージャーなどの装備もおごられて、完璧な現代のマシンとして作り上げられています。
■ファッションを愛するライダーのためのこだわりの一台
エンジンのラインナップは、原付免許で乗れる50cc、原付二種の125cc、パワフルな200ccの3種類、そしてカラーバリエーションはリッチな8色です。
フロントフェンダーがボディに固定されたFix Fenderモデルとハンドルと共に動くFlex Fenderモデルに分かれているところにも、スタイルへの強いこだわりを感じますね。
オプションとして、メータースクリーンやキャリアのほか、好みに応じて取り付けられる各種カーボン製ボディパーツがラインナップされているのも楽しい演出。
モッズが熱狂した往年のランブレッタのようにミラーやライトを山盛り取り付けるわけにはいかないでしょうが、現代のランブレッタもまた、自分らしいライフスタイルやファッションへのこだわりを思いのままに表現できるマシンであることに変わりはないのです。
【ランブレッタ V125スペシャル主要諸元】
全長×全幅×全高:1890mm×735mm×1115mm
シート高:770mm
エンジン種類:空冷4ストロークOHC2バルブ単気筒
総排気量:124.6cc
最高出力/最大トルク:7.5kW/0.94kgm
燃料タンク容量:6.0ℓ
タイヤ(前・後):110/70-12・120/70-12
ブレーキ:前後ディスクブレーキ
メーカー希望小売価格:41万円(税込)
(写真:高橋克也 文:村上菜つみ)
車両協力:バックカントリーモーターサイクル
所在地:〒607-8261 京都府京都市山科区小野鐘付田町8-1第2ロイヤルハイツ和田
営業時間:10:30~20:00
電話: 075-573-0253
https://www.facebook.com/BackcountryMotorcycle/
【関連リンク】
ランブレッタ Official Site
https://sygnhouse.jp/products/lambretta/lambretta-lineup/
・村上菜つみさんがランブレッタ・V125スペシャルで出かけたツーリング記事は、月刊誌「モトチャンプ」2020年7月号(6月6日発売)に掲載されています。
モトチャンプ2020年7月号
https://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=11389