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■真の実用車は走りの万能選手
スーパーカブは生産累計台数1億台以上、160か国以上で販売されてきた驚異のグローバル・マシンです。つまりそれは、厳しい環境や悪路に強く、どんな地域でも走れるタフなバイクだということ。ハードなフィールドを平然と走れる走破力をもっているのも当然かもしれませんね。
■未舗装でもへっちゃら! ダートでのパフォーマンスは?
スーパーカブ110は、ダートでもやっぱりよく走ります。トルクたっぷりのマイルドなエンジンはダート遊びの強い味方。悪路では3速までシフトアップするとトルク不足でふらつき気味になるものの、1~2速はパワフルで扱いやすく、しっかり安定して走れます。
足が短くロードクリアランスが小さい車体は、でこぼこの激しい路面では下まわりをこする心配がありますが、軽トラが走れるくらいの林道なら十分楽しめるもの。
スピードを上げてギャップに突っ込むと、さすがにサスが底づきしてしまいますが、スピードさえ控えめにすれば、悪路に乗り入れてもガタつきは最小限です。世界の道を走り続けてきたマシンのしなやかな強さを感じる足回りですね。
ブレーキはダートでも前後共よくききます。でもタイヤはロード用なので過激なブレーキングは禁物。とくにリアブレーキは、強くかけるとすぐにロックしてしまいます。
フロントもハードブレーキングでは早めにロックしはじめますが、ホイールが大きくふらつきにくいため、ロックの挙動はゆるっと穏やか。すぐにレバーをゆるめれば、大きく姿勢を乱す前にリカバリーしてくれます。
スタンディング・ポジションでトライアル風に走ってみると、超低速でのすばらしい安定性に驚かされました。アクセルとブレーキのコンビネーション感覚の違いにさえ慣れれば、停止寸前のスピードでは、ふつうのオフ車よりもバランスがとりやすいほど。足の長いオフロードマシンに比べて格段に重心が低いせいかもしれませんね。
ただ、ステップスルー方式のスーパーカブにはニーグリップできる位置にフューエルタンクがありません。タンクの代わりにシート前端に膝の内側をひっかけてマシンを抑えるとふらつきにくくなるようです。
■どこにでも行ける、なんでもできる
町中をスイスイ走る実用車のイメージが強いスーパーカブ110ですが、悪路の踏破性は一般的なスクーターとは一線を画するもの。
ほどよく整備されたフラット林道なら、十分楽しめる性能です。大型キャリアの積載能力を活かせば、キャンプや釣りなどのアウトドア・アクティビティにもゆとりをもって挑戦できるので、本格的なオフ車よりも遊びの幅を広げやすいかもしれません。
スーパーカブ110は、海でも山でも町でもマルチに活躍できるタフなバイクです。使い方はライダー次第。自分だけの新しいバイク遊びを探してみるのも楽しそうですね。
【ホンダ スーパーカブ110主要諸元】
全長×全幅×全高:1860mm×695mm×1040mm
シート高:735mm
エンジン種類:空冷4ストロークOHC単気筒
総排気量:109cc
最高出力/最大トルク:5.9kW/0.87kgm
燃料タンク容量:4.3ℓ
タイヤ(前・後):70/90-17・80/90-17
ブレーキ:機械式リーディング・トレーリング
車両価格:28万500円
(写真:高橋克也 文:村上菜つみ)
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【関連リンク】
スーパーカブ110 Official Site
https://www.honda.co.jp/SUPERCUB/personal/
・村上菜つみさんがホンダ・スーパーカブ110で出かけたツーリング記事は、月刊誌「モトチャンプ」2020年6月号(5月6日発売)に掲載されています。
モトチャンプ2020年6月号
https://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=11389