■先代モデル比で50kW(68馬力)・250Nmもアップした直列6気筒ターボに48Vマイルドハイブリッドを搭載
メルセデスのミドルクラスSUV「GLE」に、ハイパワーなM256型直列6気筒エンジンを搭載したAMG GLE 53 4MATIC+(ISG搭載モデル)が追加設定されることが発表されました。メーカー希望小売価格は1332万円。予約開始は2020年5月28日から、納車は6月以降の予定となっています。
アピアランスの特徴である、縦ルーバーが入ったAMG専用ラジエターグリルの奥に置かれるパワーソースは、最新AMGの証といえる「M256」型エンジン。3.0L直列6気筒ターボエンジンの最高出力は320kW(435PS)、最大トルクは520Nmとなっています。
トランスミッションは、これまたAMGだけに与えられる「AMGスピードシフトTCT(トルク・クラッチ・ トランスミッション)」。伝達効率、変速スピードの点で進化した9速オートマチックトランスミッションです。さらにエンジンとトランスミッションの間に薄型モーターのISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を配置しているのも特徴です。ISG単体のスペックは16kW(21PS)、250Nm。回生ブレーキによって1kWhのリチウムイオン電池を充電して、必要に応じてエンジンをアシストするというマイルドハイブリッド仕様となっています。
それだけではありません。エンジン始動をスムースにしていたり、アイドリング振動をモーターによって相殺することで快適性や静粛性を高めるといった部分でも貢献しているのは、いかにもメルセデスAMGらしいところ。このように電動化をパワートレイン全体の洗練に利用しているのです。
その点では、電動スーパーチャージャーを採用しているのも、このパワーユニットのポイントです。ターボ過給が始まるまでのラグ(遅延時間)を、レスポンスに優れる電動スーパーチャージャーでカバーしています。さらにISGのアシストもプラスされますから、あらゆる回転域でリニアリティを高めていることが期待できるのです。
こうした電動アシストが可能のも48Vという比較的高電圧なシステムを採用しているからなのですが、その48Vシステムは乗り心地の改善にも効いています。それが「AMG ACTIVE RIDE CONTROL」 です。
これは、前後アクスルそれぞれに配された電動アクチュエーターが可変スタビライザーとして働き、エアサスペンションと統合制御することで、あらゆるシチュエーションにおいて車体の安定化 を図るというものです。
電気式ならではのレスポンスは、1秒あたり1,000回といった高頻度で制御をできるため、路面の変化に常にマッチさせることが可能。つまり、直進時にはしなやかな 足回りによる快適な乗り心地を、コーナリングや車線変更時にはロー ルを効果的に抑制し、AMGらしいダイナミックなドライビングを可能としているのです。
そのほか、先進運転支援システムでは右折時の対向車検知機能も持つ最新の「アクティブブレーキアシスト」を標準装備するなど、AMGにふさわしいハイテクマシンとなっています。
さらに、新車購入から3年間にわたり、一般保証修理/定期メンテナンス(点検 整備の作業工賃・交換部品)/24時間ツーリングサポート/地図データ更新が無償 で提供される走行距離無制限の保証プログラム「メルセデス・ケア」が適用されることを考えると、1332万円という価格にも納得です。
(山本晋也)