■社有車が休日返上で働く
スマートフォンをクルマの鍵(スマートキー)代わりに使うことができる『バーチャルキー』が、九州電力のマンション向けEVカーシェアに採用されたという記事(https://clicccar.com/2020/05/20/979134/)を書いたばかりですが、この『バーチャルキー』を使ってクルマの運行管理から予約、決済までひとつのアプリで完結できる『Kuruma Base Biz』が、また新たなサービスに導入されることがわかりました。
この『バーチャルキー』の技術っていうのはなかなかのものなんですが、まぁ、正直に言うと、どちらかというと事業者にメリットが大きくて、一般ユーザーにとってはそれほど大きいバリューはないかな、と思ってたんですわ。使ったことがないからわからないですけどね。
でもね、今回のニュースはちょっと面白い。というのは、新しく『バーチャルキー』が導入されるサービスというのが、NTTル・パルクのカーシェアリングサービス『ノッテッテ』(https://www.le-perc.co.jp/carsharing/)というんですが、NTT東日本グループが保有する営業等の業務用車両やビルのスペースを活用して、車両を業務で使用しない空き時間に地域企業・自治体や地域住民に貸し出すカーシェアリングサービスだというんです。これが2020年5月21日から始まるそうです。
カーシェアって、需要が伸びるほど、休日に利用が集中して、借りたいときに借りられないということが起こるんじゃないかと思っていたんですよね。でも、平日に業務に使われていたクルマが休日にカーシェアとして提供されるのであれば、休日の車両不足の心配も減るじゃないですか。これはメリットが大きいと思うんですよね。この流れはNTT東日本グループだけじゃなくて、大きく広がるかもしれませんね。
『バーチャルキー』に関しておさらいすると、ジゴワッツ社の「key.bo/t」認証テクノロジーを利用した認証サーバ(③)とスマートフォンアプリ(②)、バーチャルキー車載器(①)によって構成されます。車両のセキュリティに対する改造工事をしなくても、カーシェア車両にできるので、かなりコストを減らすことができるというわけです。
なんども書きますが、当サイト『clicccar』の最大のライバルである自動車ニュースサイト『Response』を運営している株式会社イードが、デバイス開発と認証技術を得意とするベンチャー企業・株式会社ジゴワッツと共同開発したものです。
このイード社は『iid 5G Mobility』として、モビリティ革命を支援するために、このジャンルのベンチャー企業や新たな取り組みをする企業に対する支援等を行っているんですが、いいところに目をつけていますね。イード社はクルマに対する知見があるので、適切な支援が可能なのでしょう。
私は現代は一種の産業革命のような時代だと思っているので、こういうベンチャービジネスの成長が今後の日本の発展も左右すると思うのです。そういう意味でも『iid 5G Mobility』は応援していきたいですね。
(まめ蔵)