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■伝説のコンプリートマシン・RE雨宮ロータスヨーロッパ改13Bペリ誕生!
●【Stay Home】外出まだまだ自粛時間は、伝説のマシンを昭和OPTIONで感嘆!!
【Stay Home】のお供、昭和OPTIONを懐かしむPlay Back The OPTION。
今回は1987年の東京オートサロンに出品され話題騒然となった『RE雨宮ロータスヨーロッパ改13Bペリ』を紹介です。
21世紀に入った現在でも、RE雨宮は毎年東京オートサロンに新作コンプリートマシンを出し続けている…なんてことは皆さんよ~くご存じですよね。雨さん(雨宮勇美社長)の、RE雨宮自動車のパワーはOPTION・チューニング界にとって唯一無二の存在なのです!
ではさっそく、まずは谷田部テストのDaiちゃんインプレッションをドーゾ!
■[痛快! 異色マシン試乗]雨さんちの真紅のロータスヨーロッパ
●速い! 面白い! カッコイイ!!
さすが、やっぱり雨さんちは面白い。
このロータスヨーロッパも手作りながら本物だし、
最高速RX-7も確実にポテンシャルアップしている。
ハンパじゃないっス。
●レーシングカー感覚で街を走れる!
地を這うような改造ロータスヨーロッパ。真紅ボディが眩しい。やっぱり雨さんが作るとどこか違う。ただの改造車じゃなく「走るための」機能美を感じるのだ。
「ちゃんと真っ直ぐ走るよ。エンジンもメカニカルインジェクションなんで、ペリといってもトルクもあるし。オレの自慢のクルマだからね」。
まるで自分の可愛い息子を紹介するような顔つきの雨さんだ。
このロータスヨーロッパ・ロータリーは1987年東京オートサロンに出品された。RE雨宮自動車お得意のカスタム・バリバリ仕様だ。
やっとフルテストできる状態まで仕上がった、というわけでオレ(Dai)が乗る。
コクピットはさすがに低い。路面にケツがつきそうだ。ボディと同じような真紅のダッシュボードに、各計器類がレーシングカー並みに配置されている。ここら辺の造形は雨さんがいつも気を配るところだ。
イグニッションをONにしてスタートボタン(といっても生産車のライトスイッチ?)を押す。クイクイ、クイとセルが回り、リヤの13Bロータリーに火が入る。ペリだというから高周波の凄い音を予想していたが、意外に低い音に抑えられている。
「マフラー付けたから50psは損してるよ」と言っていたことを思い出した。
センターコンソールの位置にあるシフトレバーを左下のローに。ヒューランドのミッションなのでレーシングタイプだ。レーシングカーなら右手側に配するのだが、センターにしてあるのでかなり操作しにくいと思った。が、ちょっとなれると手首を動かすだけでギヤは入る。
アクセルは重い。インジェクションはレース用のスライドバルブ方式だからか。
しかし、アクセルに反応するロータリーパワーは確実にトルクを感じる。エンジンの回転が普通のキャブ仕様のような軽快でない感じだが、車速の伸びは力強い。これがメカニカルインジェクションだ。以前、マツダ757のワークス仕様に乗ったときと同じエンジンフィーリングがする。
●最高速282.35km/h、ゼロヨン13秒36
物凄く低い前方視界が左右に飛んでいく。心配した直進性が意外といい、ということが肌で分かる。
いつもは様子を見るのだが1周目から全開シフトアップ! 9000rpmシフトだ。4速から5速。ステアリングはやや左右にとられるが、スピンするようなヨーの発生は無く、ちょうどレーシングカー的な動きに似ている。
怖さなどなにもない。5速でも9000rpmまで回って282.35km/h。最近はロータリーもターボチューンが多く300km/h時代だが、ノンターボでこの速さとリニアな加速感はやはり気持ちいい。
ゼロヨンはミッドシップの特性を生かして7000rpmでクラッチミート。2速にシフトアップするまでブラックマークがつくのだ。ちょっと回転を落として慎重にスタートすると13秒36。タイヤがロード用だからこんなものだが、スリックなら当然12秒、11秒という数字は叩き出せるだろう。
とにかく楽しいマシンだ。
ちょっとステアリングが重いのとアンダーステアが強い印象だったが、「谷田部用に直進性重視のアライメントにセットしてある」という。ミッドシップ本来のシャープなコーナリング性に戻すと、もっと面白いはずだ。
「やっぱクルマはミッドでレスポンスのいいのが一番」走りに徹した雨さんらしいクルマ作りだね。
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次回は、このRE雨宮ロータスヨーロッパ改13Bペリのメカニズムチェックと、同時にテストしたシングルターボのFC3Sを紹介しますのでお楽しみに~!
[OPTION 1987年7月号より]
(Play Back The OPTION by 永光 やすの)