■故スターリング・モスに敬意を表した、MC12の進化形
マセラティは、新型レーシングモデル「マセラティMC20 プロトタイプ」の写真(第2弾)を公開しました。
同モデルは、2020年5月にモデナで発表される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で同年9月の発売予定に延期されています。そのため現在もカモフラージュされた状態で、まだ全容は明らかにされていません。
今回公開された写真には、“無冠の帝王”ともいわれ、4月12日に亡くなったサー・スターリング・クロフォード・モスに敬意を払い「マセラティ・エルドラド」「250F」、MC20のプロトタイプの3台が映っています。
スターリング・モスは、F1ではマセラティ、メルセデス、ロータスのほかプライベートチームからも出場しています。F1は66戦中16勝を挙げたもののワールドチャンピオンの獲得は叶わず、年間成績は2位が4度、3位は3度と、まさに「シルバーコレクター」といえる戦績を挙げました。
コンセプトカーの「MC20」と並べて映されている「マセラティ・エルドラド」は、1958年のモンツァでデビューしたシングルシーターのレーシングカーで、アイスクリーム・メーカーのエルドラドがスポンサーになっています。MC20のプロトタイプは同モデルをデザインモチーフとしているそう。
もう1台の「250F」は、スターリング・モスが1956年のF1モナコグランプリで駆ったモデルで、ポール・トゥ・ウィンを収めた記念すべきモデル。なお、同レースでは、同じ「250F」に乗るフランス人ドライバーのジャン・ベーラが3位入賞も果たし、1位、3位を占めています。
新型スーパースポーツカーの「MC20」は、マセラティが100%自社設計・開発・生産をする新しいエンジンを初めて採用するマシンで、2004年にマセラティが37年ぶりにレース界に復帰を果たした「MC12」の進化形としています。
マセラティは、同モデルで再びレース界に復帰するとアナウンスしています。
(塚田勝弘)