ヨーロッパに投入される「日産 e-NV200 XL Voltia」は、e-NV200の荷室を90%拡大

■日本で発売されれば、キャンピングカーのベース車になりそう!?

日本では新型コロナウイルス禍以前から、運送業界の慢性的な人手不足が指摘されています。

拠点間の自動運転や安全を確保しながら整備のしやすさを向上させるなどの課題があります。さらに「ラストワンマイル」配送では、カーゴスペースの容量を確保しながら高い機動性を誇り、電動化されるなどの車両が今後さらに求められるはず。

なお、ヨーロッパでは排出ガス規制が年々強化され、都市部でのアクセスが制限されているにもかかわらず都市部での「ラストマイル配送」の需要は衰えていないそうです。

日産 e-NV200 XL Voltia
日産がヨーロッパで発表した「e-NV200 XL Voltia」

日産は、ヨーロッパに「日産 e-NV200 XL Voltia」を導入することで、ラストマイルの配送業務を未来に向けてサポートすると発表しました。欧州における「e-NV200」のラインアップが拡充されることになります。

●立ったままの仕分けなども可能

大型化された新型電動バンの日産「e-NV200 XL Voltia」は「e-NV200」のコンバージョンモデル。

都市部配送用の電動バンである同モデルは、8㎡(平方メートル)もの大容量の荷室が確保されていて、輸送回数を減らすのに貢献するとしています。大容量のカーゴスペースを確保しながら小回り性能も備え「ラストワンマイル」配送に適したモデルという位置づけ。

標準モデルの「e-NV200」と比較して、カーゴスペースを90%をさらに拡大しているのが特徴で、立ったままの仕分けなどの作業でも快適に仕事できるようにスタンディングルームも確保されています。

日産 e-NV200 XL Voltia
背の高いカーゴスペースは、日本でもニーズが高そうだ

同モデルには、40kWhの高容量バッテリーとCHAdeMO(チャデモ)充電器が搭載され、急速DC充電が可能なため、都市部でのフレキシブルな配送に最適なのも特徴。

日産 e-NV200 XL Voltia
e-NV200 XL Voltiaのサイドビュー

走行時にBモードに入れると回生ブレーキが最適化され、移動中にバッテリーを充電。さらに、ECOモードは出力を抑制することでバッテリー容量を節約します。この2つの技術を併用することで航続距離が最大化され、ドライバーは毎回の配送でより長い距離を走行できるようになります。

なお、日産「e-NV200」は2014年の発売以来、生産台数は42,000台で、2019年だけでもヨーロッパ全域で約10,000台が販売されているそう。

日産 e-NV200 XL Voltia
日産「e-NV200 XL Voltia」のリヤビュー

e-NV200 XL Voltiaは、欧州市場ではGruau社が販売を担当。英国ではウェストミッドランド州に拠点を置くBevan Groupが改造を担い、英国での価格は発売時に発表される予定となっています。

日本での発売の有無などの詳細は明らかにされていませんが、リリースされれば配送用だけでなく、同モデルをベースとしたキャンピングカーなども出てくるかもしれません。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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