■新型コロナウイルスの影響でデジタル化が加速する!?
新型コロナウイルスにより、自動車メーカーを取り巻く環境が大きく変わりそうです。
生産現場だけでなく、輸入車などでは徐々にオンラインでクルマが購入できるようになっています。また、セールスやアフターサービスなど、我々エンドユーザーが付き合う販売現場でアウディがデジタル化を推進しています。
アウディは現在、純粋にデジタルな形で、新型車の市場投入に向けて準備を進めています。世界中の販売・サービスの従業員約15,000人と、販売店のサービス(技術者)約20,000人が準備と訓練を受ける必要があるとしています。
コロナウイルスの危機により、アウディは初めて対面でのトレーニングを完全に廃止。その代わりにウェブベースのトレーニングから拡張現実やバーチャルリアリティのトレーニングまで、さまざまなデジタル形式を活用しているそう。
アウディが抱える世界で35,000人以上の販売・サービスのスタッフのトレーニングは、トレーナーの原則に基づいて行われています。AUDI AGは、世界90のマーケットから約400名の製品、販売、サービスのトレーナーと約250名のテクニカルトレーナーに対して、集中的なトレーニングを提供しているそうです。こうしたトレーナーは、学んだことを各拠点の従業員に伝えています。
世界で統一された品質基準を確保するべく、AUDI AGでは、デジタルトレーニングフォーマットをすでに多数作成。その一部は、自社のテレビスタジオで行われたそう。バーチャルリアリティのフォーマットは、「Audi e-tron」の市場導入にも初めて採用されています。このノウハウは現在、アウディ A3 シリーズのトレーニングコースにも応用されているとのこと。
中でも、販売、サービス部門の市場導入チームを対象とした「セントラルローンチエクスペリエンス」(CLX)は、数週間前からウェブをベースとしてトレーニングコースで学びます。
例えば、デザインの特徴、パワートレーンのバリエーション、安全運転支援システムなどについてのトレーニングを開始。また、本社の担当者とのビデオ会議では、個々の詳細な質問を明確にすることができます。また、グローバル市場向けのオンラインプラットフォームでは、広範なトレーニング資料も提供されているそう。
新型A3のテクニカルトレーニングも、純粋にデジタルベースで行われています。デジタルの自己学習プログラムでは、事前、事後テスト、独自のビデオフォーマット「Audi Service TV」、市場からの質問に対応した専門家による個別指導などが用意されています。パワーユニットに関する拡張現実トレーニングコースには、新型アウディ A3の技術的なハイライトを紹介するバーチャルリアリティのアプリが近日中に追加される予定です。
ヨーロッパでは、新型アウディ A3 スポーツバックとA3 セダンのオーダーを受け付けていて、今夏には販売店に入荷し、他市場でも順次展開していく予定だそう。今年は、「アウディ A3 g-tron」とプラグインハイブリッドモデルも追加される予定としています。なお、新型アウディA3の日本導入時期などの詳細はまだ明らかにされていません。
(塚田勝弘)