目次
■世界を走る ホンダ スーパーカブ
初めてのスーパーカブC100が誕生したのは1958年のこと。それから60年以上にわたって改良を重ね、多くのバリエーションを生み出しながら、スーパーカブ・シリーズは作り続けられました。
郵便配達やお蕎麦屋さん、銀行の営業マン、通学の学生さんの足として町を走りまわるスーパーカブは、今やすっかり私たちの暮らしに溶け込んだ乗り物となっています。
スーパーカブの仲間には、クロスカブやハンターカブ、リトルカブなど、たくさんのバリエーションがありますが、今回ご紹介するのは究極のベーシックマシン・スーパーカブ110です。
■伝統のデザインを継承しつつも今風にアップデート
スーパーカブ・シリーズは、昔からまったく変わらない古めかしいバイクのような印象があるかもしれません。でも現行のスーパーカブ110は、伝統のデザインを継承しながらも細部に至るまで綿密なアップデートが施された最新モーターサイクルなのです。
見慣れたはずの可愛いフロントマスクも、よくみれば入念にリファインされていることがわかります。ヘッドライトはレトロイメージの丸目ですが、しっかり高効率のLEDを採用。前から見ると、ぽこんと飛び出た愛らしいウインカーも、背面の取り付け部分は美しい砲弾型に処理されていて無骨な感じはどこにもありません。
運転中、常にライダーの目に入るインパネは、バイクデザインの重要なポイント。スーパーカブ110のメーターパネルは、やさしいラウンドフォルムのなかに必要な情報をすっきりコンパクトにまとめています。どこか家電製品を思わせる、親しみやすいデザインですね。
リアまわりのデザインも、フロントと同じような愛らしさです。丸くて大きいくりくりのウインカーやテールランプが目をひきますね。リア側には、マフラーガードやがっちりしたキャリアにぴかぴかのメッキパーツがふんだんに使われていて、モーターサイクルらしいメカっぽさを併せもっています。
エンジンはスターターボタンひとつでいつでも瞬間スタート! でも、スーパーカブ110にはキックペダルもしっかり併設されています。バッテリー上がりなどでセルモーターが回らないときでも、キックですぐにエンジンがかけられるのは心強いですね。
■誰にでもやさしく親しみやすいボディ
身長164cmの私が乗ると、べったり安心の足つき。小柄な女子にも乗りやすいサイズです。
スーパーカブ110のカラーバリエーションは、パールフラッシュイエローやバージンベージュなどのポップなカラーから、アーベインデニムブルーメタリックやタスマニアグリーンメタリックといったクラシカルなカラーの全6種類。
可愛いボディカラーが選べるのも嬉しいですが、一見地味にみえるクラシック系のカラーは、カラフルなヘルメットやウエアが合わせやすく、女子にこそ映える色じゃないかなと感じました。
先入観をすててスーパーカブ110を見直してみると、独創的なメカを搭載したバイクにふさわしい未来的デザインが隠し味のようにちりばめられ、「昭和の昔にみんなが思い描いた近未来のバイク」といった独特の雰囲気をまとっていることがわかります。
美しいサイドビューをみれば、スクーターにすら興味をもたなかった女子たちが、今こぞってレトロなスーパーカブに心を奪われているのもうなずけますよね。
【ホンダ スーパーカブ110主要諸元】
全長×全幅×全高:1860mm×695mm×1040mm
シート高:735mm
エンジン種類:空冷4ストロークOHC単気筒
総排気量:109cc
最高出力/最大トルク:5.9kW/0.87kgm
燃料タンク容量:4.3ℓ
タイヤ(前・後):70/90-17・80/90-17
ブレーキ:機械式リーディング・トレーリング
車両価格:28万500円
(写真:高橋克也 文:村上菜つみ)
【関連リンク】
スーパーカブ110 Official Site
https://www.honda.co.jp/SUPERCUB/personal/
・村上菜つみさんがホンダ・スーパーカブ110で出かけたツーリング記事は、月刊誌「モトチャンプ」2020年6月号(5月6日発売)に掲載されています。
モトチャンプ2020年6月号
https://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=11389