■通常時405L・最大時1535Lを確保するラゲッジスペース
日本市場におけるアウディ・ブランドのうち、ハッチバックやセダン、SUVは定番モデルとして不動の人気を集める一方で、ステーションワゴンの「アバント」、ワゴン派生型のオールロードクワトロも根強い支持を集めています。
AUDI AGは、「フルサイズステーションワゴン」を謳うA6アバントに、プラグインハイブリッドの「A6 アバント 55 TFSI e クワトロ」を設定したと発表しました。
「Sライン」エクステリアパッケージ、アウディバーチャルコクピット、マトリックスLEDヘッドライトなどによりスポーティかつ、PHEVに似合う先進装備を備えた「A6 55 TFSI e クワトロ」は、2.0 TFSIエンジンを搭載。
エンジン単体でも最高出力185kW(252PS)・最大トルク370Nmという強力なアウトプットに、105kW(141PS)/350Nmのモーターを組み合わせ、システム出力は270kW(367PS)/500Nmに達します。
組み合わされるトランスミッションは、7速Sトロニック(デュアルクラッチトランスミッション)。ウルトラテクノロジーと呼ばれるクワトロ(4WD)システムが搭載されています。
■スマホ連携によりアプリで充電、エアコン設定にも対応
見どころはプラグインハイブリッドだけに、ハイパワーと分厚いトルクにとどまりません。一充電あたりの航続可能距離はWLTCモードで最大約51km。これにより、ドイツでは社用車(カンパニーカー)なら50%の現在対象になるそう。
一方で0-100km/h加速(0-62.1 mph)は約5.7秒と、重くなってる電動車両でもかなりの俊足ぶり。最高速は約250km/hでモーターのみで約135km/hに達します。
用意される走行モードは、モーター走行のEV、高効率な走りが可能なハイブリッド、バッテリー(電気)を節約するホールドの3つで、状況に応じて切り替えが可能(バッテリー状態による)。
ハイブリッド・モードには予測機能が搭載されていて、目的地周辺ではEV走行が可能になるようにドライブトレインを制御されます。これにより、日本であれば早朝深夜に住宅街などを走行する際でも周囲を気にする必要がなくなるほか、都市部でのEV走行によりエンジン搭載車の走行を規制するなどの対策にもなりそう。
充電環境ではスマホ連携のmyAudiアプリを使うことで、出かけるまでに充電、エアコンの温度設定が可能。最大7.4kWの充電スポットで約2時間半で充電ができます。
また、ステーションワゴンに期待される高い積載性も確保されています。車両後方にリチウムイオン電池を搭載しながらもフラットなラゲッジスペースが用意されていて、荷室容量は通常時で405L、最大時には1535Lを確保。
565L〜1680Lと大容量を誇るガソリン仕様には及ばないものの、日常ユースからキャンプなどのアウトドアレジャーまで十分応えてくれるはず。
装備は、先述したように「Sライン」エクステリアパッケージやアウディバーチャルコクピット、マトリックスLEDヘッドライトのほか、スポーツシート、4ゾーンフルオートエアコン、スポーツサスペンション、19インチアルミホイールなどが用意されています。
なお、「アウディ A6 アバント 55 TFSI e クワトロ」のドイツでの価格は71,940ユーロ。日本への発売予定や有無、時期、価格などは明らかにされていません。電動化攻勢を仕掛けているアウディだけに、日本にも発売されるか注目です。
(塚田勝弘)