さらばレクサスGS。最後の特別仕様車・Eternal Touringが登場【新車】

■最後の特別仕様車は、「全部のせ」の超充実装備

トヨタ・マークXが消え、レクサスGS/GS Fも廃止の噂が以前からインターネットや一部報道で流れていました。日本だけでなく米国でもそんな憶測が流れていたようです。レクサスには、FFのESが新たに加わり、トヨタのミドルサイズセダンは、カムリが主に担っています。

2020年4月23日、噂どおり2020年8月のレクサスGSの生産終了が発表されました。レクサスGSを振り返ると、1993年の初代モデル発売以降、4代にわたって走りの楽しさと乗り心地を両立させたグランドツーリングセダンとして登場。

日本国内では2005年のレクサス開業に伴い、3代目から販売が開始されています。2012年にフルモデルチェンジを受けた現行型は、今日のレクサスのデザインアイコンであるスピンドルグリルが初採用されたほか、ドライバーが意のままにクルマを操る楽しさを追求。

ニュルブルクリンクをはじめとする世界各国の道で100万kmを超える走り込みが行われ、徹底的に鍛え込まれた走りも実現したとしています。レクサスでは、走りのパフォ-マンスはもとより、スペックでは測れない動的、静的な感性の領域においても新しい価値の提供を目指したモデルと位置づけていました。

レクサス GS
レクサスGSに設定されたファイナル・エディションの“Eternal Touring”

レクサスにはISもあるため、GSが廃止されてもFRセダンは残りますが、ISがスポーティさを前面に打ち出しているのに対し、GSはもう少しセダンの王道を走るコンセプトで、車格(ボディサイズ)もISよりも1階級上になっていました。ユーザーの年齢層は分かりませんが、おそらくISはより若い、GSはISよりも年齢層は少し高そうです。

■随所に配された特別仕様車専用のグロスブラックがボディを引き締める

さて、生産終了と同時にアナウンスされたのが、ユーザーへの感謝を込めて設定された特別仕様車・Eternal Touringです。6月1日に発売される同特別仕様車は、GS450h/350/300h/300“F SPORT”がベース。レクサスの走りの象徴である“F”から継承した数々のアイテムが採用され、エクステリアはスピンドルグリルやアルミホイール、ドアミラーやリヤスポイラーなどにブラックのアクセントカラーが配されています。

レクサス GS
レクサスGSの特別仕様車“Eternal Touring”の専用グロスブラックのフロントグリル

また、GS450hとGS350 2WDの“Eternal Touring”には、オレンジのブレーキキャリパーが用意されるなど、力強い走りを想起させる精悍なスタイリングになっています。インテリアは「GS F」で好評だという、アルカンターラ表皮やカーボンオーナメントパネルが採用されたほか、ドアトリムやメーターフードなどにはブラックの内装色に映えるレッドステッチが施されています。さらに、ドアトリムとステアリングの一部にもフレアレッドの表皮が配されたことで、上質さとスポーティさが強調されています。

レクサス GS
インテリアは、「GS F」で好評のアルカンターラ表皮やカーボンオーナメントパネルを採用

同限定車に特別装備されるアイテムをご紹介します。外観では、“F SPORT”専用スピンドルグリル(特別仕様車専用グロスブラック)/フレーム(特別仕様車専用漆黒メッキ)をはじめ、フロントバンパーサイドベゼル(特別仕様車専用グロスブラック)、ラゲッジドアガーニッシュ(特別仕様車専用漆黒メッキ)、“F SPORT”専用リヤスポイラー(特別仕様車専用ブラック塗装)、オート電動格納式ドアミラー(広角・自動防眩・鏡面リバース連動ラストメモリー付チルトダウン・メモリー・ヒーター付/特別仕様車専用ブラック塗装)、三眼フルLEDヘッドランプ(ロー・ハイビーム)&LEDフロントターンシグナルランプヘッドランプクリーナーを用意。

レクサス GS
“F SPORT”専用オレンジブレーキキャリパーも用意

足まわりは、フロント235/40R19+リヤ265/35R19タイヤ&“F SPORT”専用アルミホイール(特別仕様車専用ブラック塗装+ブラックナット)、“F SPORT”専用オレンジブレーキキャリパー(フロント・リヤ/フロントLEXUSロゴ)が用意されています。

レクサス GS
“Eternal Touring”の専用インテリア

インテリアには、“F SPORT”専用ディンプル本革ステアリング(パドルシフト付/特別仕様車専用ブラック×フレアレッド・レッドステッチ)&“F SPORT”専用ディンプル本革シフトノブ(特別仕様車専用ブラック・レッドステッチ)、メーターフード/インストルメントパネル上部/センターコンソール/パームレスト/ドアトリム(特別仕様車専用アルカンターラ表皮・レッドステッチ)、特別仕様車専用カーボンオーナメントパネル(ブラック)、“F SPORT”専用本革シート(運転席・助手席ベンチレーション機能・ヒーター付/特別仕様車専用ブラック・レッドステッチ)を特別装備。安全装備では、クリアランスソナー&バックソナー、アダプティブハイビームシステム[AHS]、ブラインドスポットモニター[BSM]が搭載されています。

レクサス GS
“F SPORT”専用リヤスポイラー(特別仕様車専用ブラック塗装)を用意

価格は、GS450h 特別仕様車“Eternal Touring”が9,000,000円(FRのみ)。GS350 特別仕様車“Eternal Touring”はFR、AWDともに8,000,000円。GS300h 特別仕様車“Eternal Touring”が7,500,000円(FRのみ)。GS300 特別仕様車“Eternal Touring”が7,100,000円(FRのみ)。

メルセデス・ベンツEクラス、BMW5シリーズというFRセダンに対抗できるレクサスGSの生産終了は残念ですが、ファイナル・エディションにふさわしい豪華装備の“Eternal Touring”が設定され、ファンの期待に応えています。また、レクサスESの進化、熟成を含めてどんな戦略を今後展開していくかも気になります。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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