高齢者の親にもオススメ! 100万円台で買える、安全装備が充実したクルマ6選

■自動ブレーキなど安全装備付きコンパクトカーや軽自動車がおすすめ

運転する高齢の両親が新しいクルマに買い替える場合、どんなモデルをすすめたらいいのか? そんなお悩みを持つ方におすすめのクルマは、最新の安全装備が付いたコンパクトカーや軽自動車です。

細かい路地などでの取り回しも楽ですから、長距離ドライブなどはあまりせず、病院や買い物など日常の足が中心という高齢者には最適。

また、軽自動車やコンパクトカーでも、最近のモデルは自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)など先進安全機能がかなり充実していますし、車両価格が100万円台といった比較的リーズナブルなクルマも増えています。加えて、最近発売された新型車の多くが最大10万円の「サポカー補助金」の対象車になっているのも注目です。

そこで、ここでは最近発売されたモデルを中心に、安全装備付きで100万円台で買えるコンパクトカーや軽自動車を紹介します。

※サポカーについて詳しくは過去記事「3月9日からサポカー補助金の申請開始! ところで「サポカー」って何?」を参照下さい。

●日産・ルークス

2020年2月に発売されたルークスは、前モデルのデイズ ルークスをモデルチェンジすると共に、車名を変更した軽トールワゴンです。

マイルドハイブリッドの採用で、WLTCモード燃費が2WDの自然吸気エンジンで20.8km/L、4WDのターボ車でも16.4km/Lという優れた低燃費を実現。製造は三菱自動車が行っています。

先進安全装備
日産・ルークスはサポカーSワイド対象車

魅力は大人4人がゆったりと乗れる広い室内と、後席のスライドドアの開口幅を650mm確保するなどで高齢者や子供でも乗り降りがとても楽なこと。

先進安全装備
ドアトリム形状の工夫により、肘まわりのスペースを最大限に確保したルークスの室内

また、同じ軽トールワゴンのデイズ同様、運転支援技術「プロパイロット」を搭載し、高速道路での長距離運転や渋滞時にアクセルやブレーキ、ステアリングをクルマ側が支援。例えば、渋滞時には前方車との車間距離を制御し、停止中も停止状態を保持するなどでドライバーの負担を軽減してくれます。

先進安全装備
ルークスにも日産ご自慢のプロパイロットを搭載

ルークスには、前方の車両や歩行者を検知する衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置、車載逸脱警報、先進ライト(自動切り替え型)を全グレードに採用。補助金制度の「サポカーSワイド」に対応しています。

ちなみに、衝突被害軽減ブレーキは対車両では車速約10〜80km/hの範囲で作動。ただし、歩行者に対しては約60km/h以上では作動しませんので注意が必要です。

先進安全装備
衝突被害軽減ブレーキは車両だけでなく、歩行者にも対応

また、ドライバーなどが急病になったり危険を感じた時などに押すと、専門のオペレーターに通報されるSOSコールスイッチも装備。クルマの位置情報や所有車の情報が自動で連絡されることで、オペレーターが警察や消防への連携をサポート。

万が一の事故発生時も、エアバッグの作動に連動して自動通報されるなど、一刻を争う緊急時に役立つ機能も備えています。

先進安全機能
ルークスには緊急時にオペレーターへ通報できるSOSコールスイッチも装備

2WDと4WDがあり、価格(税込)は最も安い2WDのSグレードで141万5700円から購入できます。

●三菱・ミラージュ

2020年4月にマイナーチェンジされたコンパクトカーのミラージュ。1978年から同名の車名で販売されていますから(2002年に一度生産中止、2012年に復活)、高齢者の方にもなじみ深い車名ではないでしょうか。

先進安全装備
三菱の新型ミラージュ

今回の改良では、フロントやリアの車体デザインを一新すると共に、安全装備の強化が図られました。

独自の衝突被害軽減ブレーキシステム「FCM」は、従来の対車両だけでなく、歩行者検知機能を追加。また、前方車両に対する作動速度を約5〜30km/hから約5〜80km/hに拡大しています。

車線を外れそうになると警報で注意を促す車線逸脱警報システム「LDW」や、自動でハイビームとロービームを切り替えるオートマチックハイビーム「AHB」を標準装備するなどで、補助金制度の「サポカーSワイド」に対応しています。

先進安全装備
安全運転支援の機能を拡大したミラージュ

価格(税込)は、Mグレードで143万2200円、上級グレードのGが156万9700円です。

●トヨタ・パッソ

2020年4月に特別仕様車のMODA Charm(モーダ・チャーム)も発売されたハッチバック型コンパクトカーのパッソ。最小回転半径4.6mという小回りの良さは、高齢者だけでなく免許取り立ての初心者や女性ドライバーにも扱いやすいクルマです。

特別仕様車のメインカラーであるピンクとホワイトのツートンは、ちょっと高齢の方には派手過ぎるかもしれませんが、全グレードにグリーンやホワイト、ブラックやイエローなど豊富なボディカラーが設定されていますので、好みの色を選びやすいといえるでしょう。

先進安全装備
特別色のホワイト×ジューシーピンクメタリック

パッソが注目なのは、ほとんどのグレードにスマートアシストⅢという機能が付いていることです。これは、衝突の危険を知らせる警報機能と、事前・被害軽減・緊急といった3段階の自動ブレーキ機能のことで、クルマだけでなく歩行者にも作動します。

ホワイト×ジューシーピンクメタリック
豊富なカラー設定で、高齢者でも好みの色を選択できる

自動ブレーキの作動条件は、以下の通りです。

・事前ブレーキ(衝突の危険性が高まるとシステムが自動で弱いブレーキをかける)が、対車両で約4〜約80km/h走行時、対歩行者が約4〜約50km/h走行時

・被害軽減ブレーキアシスト(事前ブレーキ作動中にドライバーがブレーキペダルを踏むと制動力を強化)が、対車両で約30〜約80km/h走行時、対歩行者が約30〜約50km/h走行時

・緊急ブレーキ(衝突が避けられないとシステムが判断すると強いブレーキで減速)が、対車両で約4〜約80km/h走行時、対歩行者が約4〜約50km/h走行時

ほかにも車線逸脱警報機能や先進ライトなどの安全装備が、同じく全グレードに対応。

2WD(FF)と4WD(4輪駆動)がありますが、価格(税込)は2WDのエントリーモデルで119万9000円、最も高い4WDの上級グレードで190万3000円となります。

●ホンダ・N-BOX

ホンダのN-BOXは、3年連続で登録車を含む新車販売台数で1位を獲得している軽トールワゴンです。

このモデルにも、独自の安全運転支援システムHONDA SENSINGを採用することで、数々の先進安全装備が搭載されています。

先進安全装備
左がN-BOX、右がN-BOXカスタム

例えば、衝突被害軽減ブレーキ「CMBS」は、全走車や対向車、歩行者を検知します。

作動条件は、

・約5km/h以上で走行中に自車との速度差が約5km/h以上ある前走車、歩行者、移動する自転車や対向車

・対向車、歩行者、移動する自転車に対しては、自車が約100km/h以下で走行中の場合

となっています。

ほかにも、不注意による急発進や急後退を防止し注意喚起する誤発進抑制機能や、車線をはみ出さないように支援する路外逸脱抑制機能、対向車や前走車を検知し自動でヘッドライトのハイ/ローを切り替えるオートハイビームなどが備わっています。

2WD(FF)と4WDがあり、価格(税込)は141万1300円〜で、2WDであれば全グレードが100万円台で購入できます(4WDでは200万円を超えるモデルもある)。

●ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズ

ダイハツが2019年11月に発売した5ナンバーサイズのクロスオーバーSUVがロッキー。このモデルには、ダイハツ自慢の予防安全機能スマートアシストの最新版が全グレードに投入されています。

先進安全装備
ダイハツ独自のスマートアシストを搭載したコンパクトSUV

機能は、例えば前方と後方の両方で対応するブレーキ制御付き誤発進抑制機能を搭載。

仕組みは、約10km/h以下で障害物を認識後、踏み間違い(アクセルペダルを強く踏み込んだ場合)を判定してエンジン出力を抑制し、ブザー音とメーター内表示でドライバーに警告。さらに、障害物に衝突する危険性があるとシステムが判断するとブレーキ制御が作動します。

対車両と歩行者の両方に対応した衝突被害軽減ブレーキも搭載。走行中に前方の車両や歩行者と衝突の危険があることをシステムが判断すると、ドライバーにブザー音などで警告。

また、衝突回避支援ブレーキ機能では、

・事前ブレーキ(衝突の危険性が高まるとシステムが自動で弱いブレーキをかける)

・被害軽減ブレーキアシスト(事前ブレーキ作動中にドライバーがブレーキペダルを踏むと制動力を強化)

・緊急ブレーキ(衝突が避けられないとシステムが判断すると強いブレーキで減速)

といった3段階の自動ブレーキ機能があります(被害軽減ブレーキアシストは対車両が速度差が約30〜約80km/hの場合、対歩行者は約30〜約50km/hの場合に作動)。

先進安全装備
衝突被害軽減ブレーキなどは歩行者も検知する

ほかにも、高速道路のサービスエリア出口や一方通行などで、進入禁止の標識がある道路に間違って入ろうとするとメーター内に警告が出る機能や、駐車場などで障害物との距離に応じて警告音が出るコーナーセンサー、先進ライト等々、全部で17種類の予防安全や運転支援の機能が採用されています(「サポカーSワイド」対象車)。

価格(税込)は、100万円台を狙うなら最も安いLグレードが2WDで170万5000円、4WDが194万4800円。ひとつ上のグレードXの2WDが184万8000円です(さらに上級グレードになると200万円を超える仕様もあります)。

ちなみに、ロッキーの兄弟車であるトヨタ・ライズもほぼ同様の先進安全機能が搭載されていますが(同じく「サポカーSワイド」対象車)、いちばん安いXグレード(2WDが167万9000円、4WDが191万8000円・税込)のみ搭載されていません。

となると、100万円台で買える先進安全機能付きライズは、2WD車なら174万5000(税込)のX”S”グレードから189万5000円(税込)のGグレードまで、4WDなら198万4800円(税込)のX”S”グレードに限られます(Gの4WDは税込み213万3700円となって200万円を超えるため。)。

先進安全装備
ロッキーの兄弟車、トヨタ・ライズ

(文:平塚直樹・写真:トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、三菱自動車)

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3月9日からサポカー補助金の申請開始! ところで「サポカー」って何?
https://clicccar.com/2020/03/07/958935/

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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