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■清水和夫が355psトラスト・ソアラでドリフト攻め!
さて『#StayHome』タイムのお楽しみ、今回の【Play Back The OPTION】は1986年9月号に掲載された、OPT新ホットマシン作戦、トラスト・スーパーソアラ7MGの特別編として掲載された記事。
なんと、現在clicccarで熱い試乗動画記事をたくさん提供してくれている、国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが、トラスト・ソアラを某テストコースでドリフト!というビックリな内容。きっとDaiちゃんじゃドリフトテストは無理だったので、清水さんが駆り出されちゃったのかなぁ…なんて思ったりして!
「タイトルやキャッチはOPTIONと稲田Dai二郎がつけたんだからな。オレじゃないゾ!」と清水さん。ウン…確かに当時のノリでないとつけないワードが…(驚)! ってことで、ソコの部分はちょっとボカしてお届けしますね(汗)。
では、80年代中盤のイケイケ時代だったからこそ出来た過激企画、まずはドリフト編をドーゾ! あ、良いコも悪いコもマネをしちゃダメよ(汗)!
(以下、月刊OPTION誌1986年9月号より抜粋)
【OPTION TRUST Joint Tuning スーパーソアラ7MG】
■ドリフトで徹底的に攻める!
谷田部テストコーススペシャルじゃ、スーパーソアラがかわいそうだ。オレたちだってパフォーマンスが気になる! 今回はコスト抜群、ノーマルタービン仕様のストリート・フルチェックといくゾ!
【某テストコースでワインディング風 ハードチェック by 清水和夫】
●355psフルブーストの加速Gは、気持ちいい●イ●感覚だぜい!
正直言って脱帽した。トラスト製チューンドソアラの迫力と、安定した性能を発揮してくれる信頼性に、ボクは認識を新たにしたわけだ。画像のようなドリフトをぶっ続けでテストしたのだ。
わずか30万円のチューニングとは思えない。ホント! ボクがソアラの3L GTを買ったら、真っ先にトラストのチューニングキットを手に入れたいね。
ブースト圧0.8kg/cm2でなんと355ps。ノーマルの230psがカメのように遅く感じちゃう。このバカッ速さはポルシェターボも追いつけないのだ。しかもオートマチックだから●●●●●なのであります。このままル・マンに参加しても予選が通りそうな気がする…なんちゃって。
100ps以上もパワーアップしたので、当然サスペンションも強化したい。ということで、テストカーにはバネレートを50%アップさせたスプリングがセットされていた。
これはエアサス仕様の3L GTリミテッドでは不可能だ。だから金属バネのGTがベースとなることは言うまでもない。タイヤはピレリP6・215/60R15を履く。が、ここに大きな問題があるのだ。このP6は乗り心地を重視してソアラ・エアサス用にスペシャルメイドしたP6なのだ。だからオリジナルのP6と比べグリップ/剛性が不足し、ノーマルの230psでさえ走りに不満を感じる。
これで355psはガマンできない。やっぱり50扁平のピレリP700が欲しくなる。とはいえ、355ps+P6でもそれなりの走りは可能だ。ただしストレートに限ってだけど。
とにかく、355psの迫力は凄い。0→150km/hを11秒。ノーマルの230psを8秒近くも引き離す。特に120km/hを超えてから(3速に入ってから)の加速が凄い。フルブーストになるとドライバーは加速Gにレ●プされてしまうのであります。で、この気持ちいい●イ●代がたったの30万円!! もう迷うことはない!
●これが355psのドリフトですっ!
ドリフトは速さよりも安全が優先! とはいえ、クリッピングポイントの遥か手前でスパーンとクルマをインに向けちゃうんだから、グリップ走行派にとっちゃ「ギャー! これじゃ草むらに突っ込んじゃう~」と手に汗モノ。でも、カニ走りをキメるにはそれくらいの感覚で切り込まなきゃダメってワケだ。
そしていったんドリフト態勢に持ち込んでしまえば、クリッピングポイントの設定は自由自在。コーナーのRがキツければカウンターを控えてオーバーステアをキープすればいい。いくらでもグングン回り込んでいけちゃう。
逆にRが大きければ、カウンターのカニ走りでクリッピングを先にのばしちゃうわけだ。
それがどんなコーナーか始めっから分かっているのなら、限界ギリギリのグリップ走行のほうがもちろん速い。けど「見込み」で突っ込んだコーナーのRが予想以上にキツかったら…グリップ走行ならホントに「ギャー」でゴマメだもんね。
それよりなにより、クルマのドリフトってスキーに例えるマラウェーデルン。こいつはスポーツ感覚でキメたいのダ!
■清水チャンの楽しいドリフト1pointガイド
●ハンドル切ってアクセル踏めばいいんデス!?
FRなんていうのは、パワーがあるほどドリフトしやすい。パワーレスなシャルマン(FR)をドリフトで決めろと言われるとボクとしては辛いけれど、355psのソアラなら朝メシ前。タイヤがうんとプアだから(355psに対してね)、ハンドル切ってアクセル踏めばドリフトしちゃう。
ただし、オートマチック仕様で、しかもLSDの効きが弱いから、パワーオンしてもすぐにエンジンのトルクはタイヤに伝わらない。ちょっとしたタイムラグがある。ターボのタイムラグはほとんど気にならないから、オートマチックトランスミッションのレスポンスの問題だ。
だから、アクセルオンのタイミングを早めに行うこと。ハンドリングの初期反応が甘いので、ステアリングワークも早めがイイ。で、あとは思いきりアクセルオンすると、見事にテールがパワースライドし始める。あとはステアリングの戻しを速くすること。こいつが遅れるとスピンしてしまうのだ。もちろん、ドリフト状態となっているときはデリケートなアクセルワークが必要だ。
思い切りの良さとデリケートなアクセルワークがポイント。ガードレールの餌食に絶対ならない…という信念も必要だ。まぁ『ローマは一日にして成らず』だから、やっぱり練習が大切なのであります。
[OPTION 1986年9月号より]
※1980年代の文化を知っていただくための記事ですので、当時の写真、文章、表現をそのまま掲載しています。当時の取材ロケ地は確認できません。
(Play Back The OPTION by 永光 やすの)