■ホンダは「ニーズ聞く前」に感染者を移送する車両を提供
いち早く全面的な支援を表明したのはトヨタだったけれど、今のところ具体的な活動に結びついていない。実際、自然災害のお手伝いに行くと毎回の如く実感するのが支援する難しさです。「助けて欲しい」と困っている側と「支援したい」という側の間に役所など入ると、その時点から「検討と会議と法規対応」という迷路に入ってしまう。なかなか困っている現場に辿り着けないです。
ホンダの素晴らしさは、ニーズ聞く前に「感染者を移送する車両」を作り上げ、それを渋谷区と港区という現場に提供したことだと思う。現物があり、小回りの利く役所に提供すれば使わない理由などない。さらに東京都の場合、小池知事が喜んで支援を受けた。すでに20台を日本交通に運用してもらうということになったという。上の写真はオデッセイベースの感染防止対策仕様です。
具体的には運転席+助手席とキャビンの間に空気の通路無い隔壁を作り、その上でエアコンのファン使い加圧した空気を運転席側に送り込む。一方キャビン側はボディの後部に吸い出しファン付け、気圧を下げることで運転席にキャビンの空気が流れないようにするというもの。
早い時期にタイのホンダが感染者を移送するためキャリアを作り始めたので、そのアイデアを導入した?
今や感染者の移送は大きなニーズになっている。トヨタも早い段階で移送車両の開発を公表していた。JPNタクシーなら簡単に感染防止車両が作れると思う。日本全国にベース車両はあるから、動き始めたら移送問題が解消するだろう。--トヨタ、ホンダに続くメーカーはどこかと思っていたら、4月16日に日産が手を挙げました。圧倒的に不足している医療用バイザーを作るという。
開発の試作で使う3Dプリンターを使うため4月は月産2500枚ベースながら、すでに英国のサンダーランド工場では7万7000枚を生産済。間もなく超大量生産を可能とする射出成形機が稼働するため1週間あたり10万枚の生産ペースになるという。週に2万枚くらい日本に空輸してくれたら、医療用シールド不足で困窮している日本の医療現場の素晴らしい支援になると思う。
(国沢光宏)