■「引き算の美学」から生まれた繊細かつ生命感あふれるデザイン
MAZDA3が2020年「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」に輝きました。同賞は、ワールド・カー・アワーズ(WCA)が主催する2020年「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」の特別賞の1つ。マツダのモデルが同賞を受賞するのは、2016年のマツダ・ロードスター以来、4年ぶり2度目になります。
「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」は、2004年に世界各国の自動車ジャーナリストによって創設された自動車賞で、世界25カ国以上、86名の自動車ジャーナリストの投票によって選出されます。2020年の最終結果は、トロント現地時間4月8日にWCAから発表されました。
近年のマツダは、「鼓動デザイン」を掲げ、第7世代の第1弾としてMAZDA3が投入されています。MAZDA3のデザインは、「Car as Art(アートとしてのクルマ)」という同社のデザインの哲学を追求。世界で高い評価を受けているという、「魂動デザイン」をさらに「深化」させています。
日本の美意識に基づく「引き算の美学」でクルマのフォルムから不要な要素を削ぎ落し、滑らかなボディの面を走る繊細な光の移ろいによって豊かな生命感を表現する、独自の造形を創り出したとしています。なお、「引き算の美学」は、2017年7月の「レンジローバー・ヴェラール」の日本発表時に使ったキーワードでもあります。また、最近のメルセデス・ベンツは、「Sensual Purity(官能的純粋)」と呼ぶデザイン思想を掲げていて、こちらは無駄なエッジやラインを注ぎ落とした造形としてエクステリアに表出しています。マツダ、ランドローバー(レンジローバー)、メルセデス・ベンツなどだけでなく、デザインのひとつの流れといえそう。
マツダは、MAZDA3のハッチバックはエモーショナルさを、セダンではエレガンスさを追求し、「MAZDA3」というひとつのネームプレートのもと、まったく異なる2つの個性を生み出しています。
2020年に創立100周年を迎えたマツダは、走る喜びに加えて、独自性にあふれた商品、デザイン、技術に加えて、マツダ車オーナーならではのエクスペリエンスの創造に挑戦していくと表明しています。
(塚田勝弘)