優れた環境性能をもつ新材料「バイオエンジニアリングプラスチック」の開発で、マツダのエンジニアが科学技術賞を獲得

■環境性能とデザイン性を両立できるバイオエンプラ

2020年4月7日、マツダの研究開発者が「バイオエンジニアリングプラスチック(バイオエンプラ)」の開発で「令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」の「科学技術賞(開発部門)」を受賞したと発表しました。

「科学技術賞(開発部門)」は、科学技術に関する研究開発・理解増進等において顕著な成果を収めた者に与えられる賞。マツダの受賞は、平成30年度の新世代クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」に続いて7回目。

マツダ CX-30
MAZDA CX-30のエクステリア

バイオエンプラは、植物由来原料を使用していることから石油資源使用量の削減やCO2排出量の削減、さらに塗装工程廃止によるVOC(揮発性有機化合物 (VOC:Volatile Organic Compounds)の削減により、優れた環境性能に貢献できる材料です。
同社は、バイオエンプラの無塗装化技術を開発し、従来の塗装では実現できない高い質感(深みのある色合い、鏡面のような平滑感)を材料着色で実現するなど、高いデザイン性を持つ自動車の内外装部品としても使用できるように開発。

マツダ ロードスター
マツダ・ロードスターのインパネ

2015年にロードスターの内装意匠部品に初めて採用されて以来、MAZDA CX-30のフロントグリルのような大型外装部品など、現在国内で販売しているすべての乗用車(MAZDA2、MAZDA3、MAZDA6、MAZDA CX-3、MAZDA CX-5、MAZDA CX-8、MAZDA CX-30、MAZDA ROADSTER/2020年4月7日現在)の内装意匠部品や外装意匠部品に採用されています。

「科学技術賞(開発部門)」の業績名は、「環境性と商品性と経済性を両立できるバイオエンプラの開発」。受賞者は、装備開発部 主幹エンジニアの一原 洋平氏です。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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