わずか5秒のチャンスにかけるビジネス! 新車スパイカメラマンというお仕事

■キャノンのカメラで毎秒10枚・50発の弾丸で捉えたプロトタイプ

スクープ班に日々送られてくる新車のスパイショット。月平均で40車種以上のプロトタイプが届きます。

何気なく目にするスパイショットですが、その裏にある過酷なスパイカメラマンの努力を忘れてはならないでしょう。

スパイカメラマン_004
スパイカメラマン ビジネス

スパイ写真ビジネスは非常にエキサイティングです。迅速に移動し、獲物を見つけたら素早く反応。適切なタイミングで車から飛び出し、わずか数秒で適切な位置を見つけ、シャッターボタンを押しまくる必要があります。

スパイカメラマン_003
スパイカメラマン ビジネス

しかし、時には退屈な日もあるようです。モデルを務めた彼は、愛車である四輪駆動のシュコダ「イエティ」で何時間も3つの道路を確認しています。フロントガラス、左右の窓から周囲をくまなく観察、400メートル先のプロトタイプを確認します。しかし、獲物はやって来ません。ひどい場合は、日の出から日没までこの時間を過ごすのです。

追いかけている特定の車がない、とある日にはVWグループの冬季テスト基地にある正門から、数百メートル離れたT字交差点に隠れていました。ここでは多くの獲物を見ることができ、その日はゴルフR、アウディA3、ベントレー コンチネンタルGTなどの撮影に成功したようです。

スパイカメラマン_001
スパイカメラマン ビジネス

彼には大きな武器が2つあるといいます。一つは忍耐力、もう一つは巨大な雪堤の後ろにある巧妙な隠れ場所です。適切な瞬間に飛び出し、狙ったプロトタイプをめがけてシャツターを切ります。限られた時間はわずか5秒。機関銃のように聞こえるキャノンで毎秒10枚、50発の弾丸で終わります。捉えた獲物はアウディRS3のプロトタイプでした。

コロナウィルスが世界に蔓延していますが、摂氏マイナス40度に達することもある厳冬のスカンジナビアで、スパイカメラマンは今日も活動しています。

(APOLLO)

この記事の著者

APOLLO 近影

APOLLO

アポロニュースサービス代表取締役。1965年東京生まれ・世田谷区在住。通信社を経て1996年に独立、レンタルポジ&ニュース配信会社アポロニュースサービスを設立した後、2016年にはカーメディア「Spyder7」編集長に兼任、多数のメディアへ新車スパイショット配信も手掛けております。
通信社入社と同時に新車スクープに関わり、これまで35年間、新型モデル開発を追い続け、現在は新車スクープ原稿を年間800本以上執筆、日本で一番新車スクープ記事を書く男としてギネス申請中!?
続きを見る
閉じる