優しい内外装テイストになめらか系挙動が目立ちます【新型フィット HOME(HV)試乗】

●7年ぶりの刷新で大きく進化した新型フィット

新型フィット
ホームのハイブリッド仕様、e:HEV

2001年に初代が登場し、その後2代目が2007年、3代目は2013年に登場したホンダ フィット。

これまで約7年ごとに全面刷新をしてきたわけですが、4代目の登場も先代モデルから7年後の2020年となりました。

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15インチタイヤと放射状ホイールキャップが標準ですが、このように16インチアルミも装着可能

今回の新型フィットはピュアガソリンモデルとハイブリッドモデルから選べるほか、駆動方式はFFと4WDからチョイスできます。さらに、標準モデルに対し、内外装を大きく変えた派生4モデルを選択肢に追加したことが大きな特徴です。

今回、そんな新型フィットの中からより上質かつ優しい内外装テイストが魅力の『ホーム』のハイブリッド仕様、e:HEV(以下、HV)について紹介します。

このホーム、ボディサイズは全長が3995mmで全幅は1695mm。全高は1515mmあります。

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出力は98ps/5600~6400rpm&13.0kgm/4500~5000rpm。モーター出力は109ps

搭載される1.5L 4気筒エンジンの出力は98ps/5600~6400rpm&13.0kgm/4500~5000rpm。モーター出力は109psです。重量は1200kg(FF)になります。

ホームではソファーのような柔らか&しっとりした素材を採用した前後シートが特徴となっています。これはセンター部分にナチュラルテキスタイル、サイド部分にプライススムースを合わせたものです。

新型フィット
良質な素材のナチュラルなシート
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サイド部はプライムスムースを使っています

またシートに合わせて白いパーツを採用した2本スポークタイプの本革ステアリングホイールや、プライムスムースのソフトパッド(これもホワイトです)を採用したインパネなども見所です。

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インテリア色はソフトグレーとブラックです

実際に乗ってみるとまずはその乗り心地の良さに気づきます。

新型フィット
しっとりした乗り心地です

フロント・ストラット、リア・トーションビームのサスペンション形式は先代と同じ。また基本的なサスペンション構成パーツも従来のものを踏襲しながらも、最後の煮詰めに徹底的にこだわりました。

例えばフロントではストラットのロッドの摺動抵抗を低減しています。リアではショックアブソーバーのアッパー部分の取り付け構造を変更して、アルミダイキャスト製のマウントを介して装着するようにしています。

これらによって初期からしなやかにサスペンション機構が作動するようになり、低速から乗り心地がよくなっています。

また各種フリクションが減ったサスペンションのおかげで、スプリングレートやダンパーの減衰力もやみくもに低くする必要がないため、強い入力があった時の安定感も増しているのです。

ハイブリッド機構に関しては従来型のエンジンとモーターを併用してタイヤを駆動する方式から、タイヤの駆動は基本的にモーターのみで行う、シリーズハイブリッド方式に変更となっています(一部、高速道路での巡航などのガソリンエンジンの方が効率良い時にはエンジンと駆動輪が機械的に結合します)。

これはステップワゴンやインサイト、アコードなどですでに採用されているものですが、フィットへの採用にあたってはパワーユニットをさらにコンパクトにした、ほぼ専用といっていいものになっています。このモーター出力は109psと大変余裕がありますので、その力強さはもちろん中速域での加速にも余力があります。

初期のホンダ・シリーズハイブリッド方式ユニットではエンジン音と車速上昇の伸びがリンクしない印象が強いものもありましたが、最新のフィット用では違和感が少なくなっています。

以上、特徴的な外観はもちろん、走りに関しても非常に個性的なのが新型フィットでした。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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