車検や運転免許に特例も設定。新型コロナウィルスでカーライフにも異変あり!

■ジュネーブショー中止の衝撃

毎日の暮らしに大きな影響を与えている新型コロナウィルス。自動車の世界では、3月5日に開幕予定だったジュネーブモーターショーが中止となり、大きな波紋を広げています。同ショーでは新型ゴルフGTI/GTEや次期型ルノー・カングー、レクサス初のEVであるUX300eといったニューモデルの発表が目白押しだったため、これらをどう公開していくのか、各社は頭を悩ませているでしょう。

いっぽう私たちのカーライフに関わる分野ではこんな動きがあります。

●ガソリン価格は低下傾向

アメリカと中国による貿易戦争の影響で、もともと低落傾向が続いてきたガソリン価格ですが、新型コロナウィルスの拡大で経済活動がいっそう停滞するという予想から、下落の流れに拍車がかかりそうです。

資源エネルギー庁の発表によれば、2月25日時点でのレギュラーガソリンの店頭小売価格は全国平均で1Lあたり147.8円。前週に比べて0.7円下がり、5週連続の値下がりとなりました。1月20日から比べると3.8円も安くなっています。都道府県別の動きでも、値上がりが2県、横ばいが1都に対し、44道府県が値下がりとなっていますから、全国規模で値下げが鮮明になっている形です。

ガソリンスタンド外観
ガソリン価格はしばらく値下げ傾向となりそう。

●車検の有効期間を4月30日まで延長

この時期に愛車が車検を迎えるという方もいるでしょう。国土交通省では、2月28日から3月31日の間に自動車検査証が期限を迎える車両の有効期間を、4月30日まで延長すると発表しました。

3月は年度末にあたり、全国の自動車検査登録事務所を訪れる方の数が平常時の1.5倍になるといわれます。国土交通省の狙いは、この混雑を4月末まで分散させ、感染リスクを少しでも減らそうという点にあります。

ちなみに車検時には自賠責保険の契約も行われることが多いので、併せて自賠責保険の手続きも4月30日まで猶予されるとのことです。

●感染疑いなどで運転免許を失効した人は再取得できる

学校の卒業時期にあたる3月は運転免許取得者数が多く、ひいては免許を更新する人の数も膨大な数になります。警察庁は2月28日、新型コロナウィルスに感染、あるいは感染疑いなどにより運転免許を失効した人は、免許を再取得できるとし、全国の警察本部宛てに通達を出しました。診断書などは必要なく、本人の申告だけで可能とのことです。

この判断は、昨年12月に施行された改正道交法施行令に基づくもの。同施行令に運転免許証の再交付に関する項目があり、今までより幅広い理由で再交付が受けられるようになったのですが、そこに「新型コロナウィルス感染(感染疑い)」という事由を含めた形です。感染はぜひとも避けたい事態ですが、万一の救済策があるという点は評価できますね。

必要以上に不安にならず、この憂鬱な状況を乗り切りましょう。

(文:角田伸幸)

この記事の著者

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角田伸幸

1963年、群馬県のプロレタリアートの家庭に生まれる(笑)。富士重工の新米工員だった父親がスバル360の開発に立ち会っためぐり合わせか、その息子も昭和期によくいた「走っている車の名前が全部言える子供」として育つ。
上京して社会人になるも車以上に情熱を注げる対象が見つけられず、自動車メディアを転々。「ベストカー」「XaCAR」で副編集長を務めたのち、ポリフォニー・デジタルにてPlayStation用ソフトウェア「グランツーリスモ」シリーズのテキストライティングに携わる。すでに老境に至るも新しモノ好きで、CASEやパワートレインの行方に興味津々。日本ディープラーニング協会ジェネラリスト検定取得。大好物は豚ホルモン(ガツとカシラ)。
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