●997型911の中古車は値落ちが進み、絶好の狙い目となっている
第6世代となる997型ポルシェ911は2004年に導入され、2011年まで販売されました。シャシーは先代モデルからのキャリーオーバーとなっていますが、80%以上のパーツが交換され、ボディ剛性を向上させています。
997型の911は2008年にマイナーチェンジが行われ、自然吸気エンジンには新設計の直噴タイプを搭載。また、従来のティプトロニックSという5速ATからPDKと呼ばれる7速デュアルクラッチミッションに変更されたのが特徴です。
搭載されているエンジンは、最高出力325psを発生する前期型と最高出力345psを発生する後期型のカレラ系には3.6L水平対向6気筒自然吸気エンジン。カレラS系には前期型が355ps、後期型は385psを発生する3.8L水平対向6気筒自然吸気エンジン。そしてターボ系は前期型が最高出力480psを発生する3.6L水平対向6気筒ツインターボで、後期型は500psを発生する3.8Lツインターボへ変更されました。
また、スペシャルモデルのGT系は、GT3/GT3RSの前期型は3.6L自然吸気、後期型は3.8L自然吸気エンジンを搭載。さらに2011年に登場したGT3 RS4.0は最高出力500psを発生する4L自然吸気エンジンを搭載。GT2/GT2RSは最高出力が異なる3.6Lツインターボエンジンを搭載し、GT系はすべて6速MTのみとなっていました。
また後期型のみに設定されたカレラGTSは3.8L自然吸気エンジンを最高出力408psに向上。また、ターボSは3.8Lツインターボを最高出力530psまで高めています。
現在、997型911の中古車の流通台数は現在約260台。年明けすぐに約280台まで増えましたが、現在の水準で安定しています。中古車の平均走行距離は3カ月前の約4.2万kmから約4.4万kmへ延びており、それに連動して中古車の平均価格も3カ月前の約568万円から約530万円へとわずか3カ月で36万円も下がっています。
997型911中古車の価格帯は約280万〜約2200万円で、300万円台の中古車は約44台も流通しています。中古車のグレード構成を見てみると最も多いのが約49台の前期型のカレラティプトロS。次いで多いのがカレラSティプトロSの約42台。そして、ターボティプトロSと前期型が多くなっています。
一方の後期型ではカレラS PDKが最も多く、ターボS PDK、カレラ PDKと前期型とは順番がかなり入れ替わります。また、後継モデルの991型と比べるとMT車の比率が多いのが特徴です。
997型911の中古車の中で300万円台のプライスを付けているは全て前期型で、台数は少ないですが、カレラ4やカレラ4S、タルガも見つかります。一方、後期型のPDKを手に入れるためにはまだ、約470万円からとなっています。
997型911の中古車は現在値落ち中となっているので、今後前期型が下げ止まりになる一方、PDKを搭載した後期型は一段と割安感が出ると考えられます。
(萩原文博・写真:ポルシェジャパン)