■観戦ポイントで「薪割り」開始!
スウェーデンからこんにちは!カメラマンの高橋です。
ただいま2020年2月15日。WRC第2戦スウェーデンラリーも競技2日目、今日こそは雪降れ!白銀のスノーラリーを堪能したい!と願うものの朝起きて見ると外はまさかの雨。1日を通じて気温も0度を下回ることのない暖冬っぷりも慣れたところで再び北側のステージへ向かいます。初日からトップを突っ走るトヨタヤリスWRCのエルフィン・エバンス選手の今日の走りはいかに。調べて見るとエバンス選手って長いキャリアの中でトップカテゴリーでの優勝経験はまだ1回きりなんですって。さて、2度目の優勝なるか?今日が正念場です。
まずは、今日の撮影ポイントへ。さすがに土曜日になると観客も飛躍的に増え早めに出かけるも会場の駐車場付近はなかなかの渋滞っぷり。キャンピングカーで早くから来ている人から観光バスで来る人など様々。会場に入るのに時間はかかりますが沢山の人で賑わう雰囲気に感化され、こちらも楽しくなって来ます。
ちなみに寒い時期になると焚き火をしながら観戦する人も少なくないWRCですが、会場に入ってから観戦ポイントで薪割りをはじめる人は今回初めて見ました。暖をとるのも本格的なんですね。
そうこうしているうちにスタート時間が迫り、ゼロカーがやって来ます。このゼッケン「0」をつけたゼロカーというのは競技前の最終コースチェックをするためのクルマで、カメラマンの自己責任において撮影場所の自由度が高いWRCとはいえさすがにソコは危ないだろう、という所で構えているカメラマンには場所の移動を促します。
ところが、コースの至近距離にどこかの国のカメラマンが1人。しかも危険なコーナーのアウト側。さすがにマズイだろと思っていましたが、実はその意図はすぐわかりました。この人、初日からずっとゼロカーを食いつくように撮影しているんです。ちなみに今回のゼロカーは、今後トヨタのラリー活動を担うであろう新型GRヤリスなんです。日本でも発表されてから話題になっているモデルですが、世界的に見てもそうなんだと納得しました。
もちろん写真もあるのですが、掲載はやめときます。そのくらいヤバイところで撮ってましたので。もちろん新型GRヤリス通過後にはすぐに安全なところに移動したのは言うまでもありません。ある意味こういう融通のきかせ方も日本ではなかなか見られない「粋な計らい」・・・なのかも。
さて話題のゼロカー通過後は競技開始です。今さらですが世界のトップドライバーが魅せる異次元の走りはもうそれだけでエンターテイメントなんだと実感。めちゃめちゃ速くて、すごい姿勢でコーナーを駆け抜けていきます。WRCの会場に足を運ぶ人の多さがそんな魅力を物語っています。で、今日の争いを制したのはまたもやトヨタのエバンス。総合でももちろんトップをキープ。2度目の優勝に王手をかけました。
ちなみに会場では懐かしのラリーカーのレプリカをちょくちょく見かけます。三菱ランサーエボリューションしかり。スバルインプレッサWRXしかり。WRCの歴史に日本車はなくてはならない存在である事をあらためて駐車場で実感します。今年日本では10年ぶりにWRCが開催されますが、異次元のスピードで走り続けた日本のラリー車のホームタウンでもぜひ私たちを楽しませて欲しいものです。
WRCラリージャパンまであと9ヶ月です!
(レポート&画像:高橋 学)